日本イーライリリーが、年次業績・社長記者会見を開催。会見では、「肥満症」や「アルツハイマー病」といった身近な疾患への取り組みをはじめ、研究開発、女性活躍推進などについても発表されました。

“医薬品をつくる会社”というだけではない、日本イーライリリーのさまざまな挑戦に注目です。

2030年に向けて。日本イーライリリーが描く未来

登壇したのは、日本イーライリリー代表取締役社長のシモーネ・トムセン氏。

日本イーライリリーでは、2030年までに製薬業界のリーディングカンパニーを目指し、「より健やかでサステナブルな社会を創造し、より多くの患者さんに、より早く貢献すること」を掲げています。

現在は、糖尿病や肥満症、がん、自己免疫疾患、中枢神経系疾患など幅広い領域で研究開発を推進中。“世界同時開発戦略”のもと、グローバル規模で新薬開発を進めているそうです。

また、神戸市にある西神工場に向けて2028年までに追加で200億円を投資予定とのこと。新規生産ラインや倉庫棟新設、デジタル化、プロセス自動化なども進めていくそうです。

さらに、AIテクノロジー活用にも注力。創薬や臨床開発、製造、サプライチェーンなどグローバル規模でAIを活用しているほか、日本国内でも20件以上のAI施策を推進していることが紹介されました。

“肥満”と“肥満症”は違う?理解を広げる啓発活動も

日本イーライリリーでは、「その肥満、肥満症かも?」という肥満症啓発キャンペーンを実施しています。

職場や家庭など、身近な場所から理解の輪を広げることを目指し、「肥満と肥満症のただしいミカタ研修(https://www.lilly.com/jp/news/stories/obesity-tadashii-mikata )」を公開。“肥満”と“肥満症”の違いについて、正しい理解を促しています。

また、肥満症のある方が抱える“隠れた努力”や心の葛藤についても紹介。繊細な線画タッチのアニメーション動画を通して、見た目だけではわからない悩みに寄り添う取り組みも展開しています。

さらに2026年3月には、肥満症情報サイト「その肥満、肥満症かも」をスタート。病院検索やオンライン相談サイトへのアクセスも可能となっており、日本イーライリリーのウェブサイトを通じて、すでに数千人がオンライン相談に関心を寄せているそうです。

女性管理職45%へ。多様な人材が活躍できる環境づくりも

日本イーライリリーでは、多様な社員が能力を最大限に発揮できる環境づくりにも注力。現在、女性管理職比率は33%で、2030年には45%を目指しています。女性役員比率は現時点で50%。2025年には「リバースメンタリング」も開始し、世代を超えた学び合いにも取り組んでいます。

さらに、LGBTQ+への取り組み評価指標「PRIDE指標」では6年連続ゴールドを受賞。神戸のレインボーフェスタにも参加するなど、多様性を大切にした取り組みを進めています。

会見当日も、手話通訳が行われており、アクセシビリティ向上への配慮も印象的でした。

肥満症やアルツハイマー病など、身近な疾患への理解を広げながら、革新的医薬品の研究開発やAI活用、日本市場への投資を進めている日本イーライリリー。

医薬品開発だけでなく、「必要な人へ必要な治療を届ける」ための環境づくりや、多様な人材が活躍できる社会づくりにも取り組んでいることが印象的な会見でした。