原点に立ち返った“わかりやすさ”への決断
木村屋グループは時代に合わせて組織を再編してきましたが、近年は「銀座木村家」と「木村屋總本店」という二つのブランドが並立していました。しかし、創業160周年を3年後に控えた今、改めて問い直したのは「お客様にとっての木村屋とは何か」。7代目社長・木村光伯氏が両社の代表を兼任したことを機に、ブランドの価値をひとつに束ねることを決断。“木村屋らしさ”をより明確にし、伝統の味をより多くの人へ届けるための統合です。
銀座本店は“精神的支柱”として
新名称となる「木村屋總本店 銀座本店」は、明治時代から銀座の地で暖簾を守り続けてきた象徴的な存在。ここは、あんぱんの命ともいえる「酒種(さかだね)」を管理する唯一の場所。木村屋のパンづくりの源流であり、伝統の技術と精神を未来へつなぐ“心臓部”です。
「本物の味」を日常へ届ける役割
スーパーやコンビニで見かける木村屋のパン。その裏側には、銀座本店の伝統を全国へ届けるための直営・ホールセール部門の存在があります。銀座本店が“源流”なら、こちらは“川の広がり”。日々の食卓にそっと寄り添い、木村屋の味を身近に感じさせてくれる大切な接点です。
統合で何が変わる?
① 店舗名称の統一
銀座4丁目の「銀座木村家」は→「木村屋總本店 銀座本店」へ
② パッケージの刷新
主力商品から順次、ブランドロゴとパッケージをリニューアル。伝統を継ぎながらも、
現代の暮らしに馴染む洗練されたデザインへ。
③ 「おもたせ」商品の共同開発
“ただのお土産”ではなく、「みんなで囲んで楽しめる」おもたせ文化を広げるギフトラインを
強化予定。
両ブランドが培ってきた知見を活かし、伝統的な商品でありながらも手軽に持ち寄ることができる、お客様の気持ちに寄り添う商品を共同で開発予定。
150年以上続く、唯一無二の味わい
酒種 小倉、酒種 桜、酒種 うぐいす、酒種 けし、酒種 白
明治7年に誕生し、明治天皇にも献上された「酒種あんぱん」。米・麹・水から作る発酵種「酒種」を使い、今もなお熟練の職人が手間暇を惜しまず作り続けています。
イーストよりも扱いが難しい一方、ふくよかな香りと奥行きのある味わいは酒種ならでは。 日本人の感性に寄り添う“やさしいパン”として、長く愛されています。
7代目社長・木村光伯氏の想い
代表取締役社長 木村光伯氏
「日本のパン文化をもっと豊かに」
当社は「日本のパン文化をもっと豊かに」というパーパスをあらためて定義しました。あんぱんの元祖として歩んできた歴史を礎に、あんぱんをはじめとする日本独自のパン文化を次の世代へつないでいきたいと考えています。家族のかたちや価値観が変化するなか、若い世代や海外の方々にも日本文化として楽しんでいただける発信を強化し、3年後に控える創業160周年に向けて、日本のパン文化の魅力をより広く届けてまいります。
新しい木村屋が、また私たちの食卓をおいしくしてくれる
160年近く続く老舗が、時代に合わせてしなやかに変わっていく姿は、どこか凛として美しいもの。これからの木村屋がどんな“おいしい未来”を見せてくれるのか、ますます楽しみです。