TikTokを見ていたら、気になる商品に出会い、そのまま購入できる——。そんな新しい買い物のスタイルとして注目されているのが「TikTok Shop」です。アメリカではローンチから1年で流通取引額が1兆円規模に達し、日本でも市場の拡大が期待されています。なかでも注目されているのが、動画やライブ配信を通じて商品と出会い、購入につながる「ライブコマース」。その可能性を広げようと、ライブコマース支援を手がける株式会社CREOKが、10月16日に一周年記念発表会を開催しました。
発表会では、代表取締役 CEO 桜井 吉男氏による基調プレゼンテーションが行われ、⾃社3アカウント‧累計13,000時間の配信で蓄積した実証データを初公開。あわせて、ライブコマース運⽤会社を地域で⽴ち上げる新事業「CREOK FRANCHISE(フランチャイズ事業)」を発表しました。また、「AI 時代の 証(しるし)とは?」「これからのディスカバリーコマースについて」をテーマにした2本のパートナートークも行われ、各社それぞれの視点から意見が交わされました。
「ライブコマースの“実証”から“実装”へ」数字が⽰す、ライブコマースの確かな⼿応え
発表会の冒頭、登壇した桜井氏は、この1年間⾃社で実践してきたライブコマースの軌跡を振り返り、CREOK LAB が運営する3つの⾃社アカウントで累計約17万⼈のフォロワーを獲得し、最⼤同時視聴者数は1万3千⼈以上、累計のライブ配信時間は1万3千時間を超えたことを発表。1回の配信での最⾼流通取引総額は800万円以上、累計売上は約 14億9,800万円に達し、非常に大きな成果を上げていることを示しました。またTikTok LIVE のクリエイターランキングでもトップに位置しており、連携ブランド数は1,000を超えています。
桜井⽒はこれらの数字を背景に、「我々の中ではこの1年間でしっかりとライブコマースビジネスの実証ができた。TikTok LIVEで本当に売れるのかと思っていましたが、⾃分たちの⼿と時間を使い導き出した答えは『売れる』でした。」と語り、TikTok Shop でのライブがビジネスとして成⽴するという「実証」のフェーズは完了したと説明しました。
CREOKの次の一歩は、地⽅の「売る⼒」不⾜を解消するフランチャイズ(FC)事業
そして次なるステップとして発表されたのが、ライブコマースの運⽤会社を地域で⽴ち上げるための仕組みとした、全国フランチャイズ(FC)事業です。
CREOKが目指すのは、ライブコマースを東京などの都市部だけでなく、全国各地に広げること。地域には魅力的な商品があっても、それをライブ配信で販売するノウハウや人材が不足しているという課題があります。
そこで、CREOK本部が商材の提供や配信ノウハウの共有、クリエイターの育成などを支援するフランチャイズ事業を始動。地域の事業者がライブコマースに取り組みやすい仕組みを整え、全国規模で新しい販売の場を広げていく考えです。
老舗ハンコメーカー「シヤチハタ」、音響技術のエヴィクサー社と取り組む、AI 時代の新たな「証(あかし)」
基調プレゼンテーションの後半では、シヤチハタ株式会社との共同プロジェクトが発表されました。AI技術の進化によって、映像や音声から本物と偽物を見分けることが難しくなりつつある今、CREOKが目指すのは、偽物を見破るだけでなく、本物であることを証明できる仕組みづくりです。
桜井氏は、長年にわたり社会に「本物の証」を届けてきたシヤチハタとともに、ライブ配信の現場で視聴者が安心して商品を購入できる、新たな信頼の仕組みを構築していきたいと語りました。
この取り組みについて、桜井氏、シヤチハタ株式会社代表取締役社長の舟橋正剛氏、エヴィクサー株式会社代表取締役社長CEOの瀧川淳氏が、「AI時代の証(しるし)とは?」をテーマにトークセッションを実施。
舟橋氏は、紙の時代には印鑑、デジタルの時代には電子印鑑と、時代に合わせて形を変えながらも、「本物であることを証明する」という役割は受け継がれてきたと説明。AI時代には、その証明のあり方も変化していくと指摘しました。
そこで注目されるのが、エヴィクサー社の「音響透かし」技術です。人の耳には聞こえない形で音声データに情報を埋め込む技術で、いわば「音のハンコ」のようなもの。ライブ配信の視聴体験を変えることなく、音声の真正性を確認する仕組みへの活用が期待されています。
ライブコマースでは、商品そのものだけでなく、配信する人や映像、音声への信頼も重要です。CREOKは自社の配信現場で実証を進めながら、将来的には業界全体で活用できる仕組みを目指すとしています。
「検索して買う」から「出会って買う」へ。広がる新しい買い物体験
続いて行われたトークセッションでは、CREOKの桜井氏、トランスコスモス株式会社のTikTok Shop推進マネージャー・副島雅広氏、株式会社Offbeat代表取締役の髙橋健氏、株式会社オークファン取締役の石丸啓明氏が登壇。「ディスカバリーコマース」をテーマに、これからの買い物のあり方について意見が交わされました。
ディスカバリーコマースとは、欲しいものを検索して探すだけでなく、動画やライブ配信を通じて、思いがけない商品や自分では気づいていなかったニーズに出会い、購入につながるスタイルのことです。
桜井氏は、「こうした新しい売り場をつくるには、CREOKだけでなく、さまざまな企業との連携が欠かせない」と説明。トランスコスモスの副島氏は、CREOKのライブコマースに対する強い意志に魅力を感じ、協業を決めたと振り返りました。また、オークファンの石丸氏は、リユース品とライブコマースの相性のよさに注目。一点物や限定品など、商品の価値や魅力をリアルタイムで伝えられることに可能性を感じていると語りました。Offbeatの髙橋氏も、CREOKが持つクリエイターの活用・育成のノウハウに期待を寄せています。
セッションの最後には、3年後のディスカバリーコマースについても議論が交わされました。副島氏は、自分では気づかなかったニーズに出会える場としての発展に期待を示し、石丸氏は日本の優れた商品が海外へ広がっていく未来を展望。髙橋氏も、日本企業が国内外のさまざまな場所で商品を販売できる仕組みへの期待を語りました。
桜井氏は、人とのインタラクティブなやり取りはAIに代替されにくい価値のひとつだと指摘。テクノロジーが進化しても、人と人とのコミュニケーションが生み出す体験は、ライブコマースの大切な魅力であり続けると語りました。
AI時代においても、人と人とのリアルなやり取りや、思いがけない商品との出会いには変わらない価値があるー。動画やライブを通じて、これまで知らなかったブランドや、自分では探していなかったお気に入りに出会えるのもライブコマースの魅力のひとつです。いつものネットショッピングとは少し違う新しい買い物の楽しみ方。気になる人は、TikTok Shopでライブ配信をのぞいてみてはいかがでしょうか。思いがけない「これ欲しい!」に出会えるかもしれません。