わたしは、たとえインスタント・ラーメンであっても、龍の模様なんかがついた中華丼で食べたいし、一本五百円の安ワインでも、コップではなくて、ワイングラスで飲みたいと思う。そういう風にして、食べたり、飲んだりした方がおいしい、というのは一つの大切な真実ではないだろうか。合理的な考え方からすれば、容器によって味が変わるはずもないのだから、おいしい、と思うわたしは幻影を食べたり飲んだりしているのかも知れない。しかし、そうした幻影を一つ一つ否定していったら、わたしたちの生活に何が残るだろう。

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