13歳のときだった。6歳の妹にプールの横からどうやって飛び込むかを教えていた。妹は緊張していたので、とても時間がかかった。大きな公共プールで、そばで75歳くらいの女性が泳いでいた。ゆっくり進み、時々止まってはこちらを見ていた。そうして自分が妹にプレッシャーをかけはじめたときに、泳いでこっちにやってきた。
妹は「だって怖いもん、怖いんだもん」と叫んでいた。すると女性はこぶしを強く振り上げて言った。「そうよ怖がるのよ! でもやるのよ!」
35年前のことだけど、そのことを忘れたことはない。衝撃だった。怖さをなくすことではないんだと、怖いけどやるんだ、ということを。

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