画像1: 専門家が解説!バックカメラ義務化の意味と選び方&おすすめ5選

新型車については2022年5月に「バックカメラの装着」が義務化され、それ以外の新車についても2024年5月からはバックカメラの装着が“マスト”になります。バックカメラというのは本当に無いとマズいものなのか?もしも後付けするとしたらどんなモノを選び、どうやって装着すればいいのか?詳細に検討してみましょう。

バックカメラとは?

「バックカメラ」とは車の後方を映し出すカメラのこと。「バックモニター」「リアカメラ」や「リアビューカメラ」などと呼ばれることもあり、カメラが映し出した映像を運転席で確認できるモニターがセットになっています(※メーカー純正のバックカメラは、カーナビの画面がモニターになるケースが大半です)。

死角を補うことで、歩行者が巻き込まれる事故などを防止する装置

画像: 死角を補うことで、歩行者が巻き込まれる事故などを防止する装置

バックカメラは後退時の「死角」を補うことで、後方の安全確認や、歩行者が巻き込まれる事故を防止するというのが主たる任務。肉眼での後方確認に加えて、モニターに映し出された車両後方の映像を見ながら車庫入れなどをすることで、さまざまなタイプの事故を防止できるわけです。

バックソナー(またはバックセンサー)も装着が必須になる?

今回の法改正では「後退時車両直後確認装置(バックカメラ、検知システムまたはミラー)」を取り付けなければならないことになったわけですが、ここでいう検知システムというのは「バックソナー」と呼ばれている装置のことです。

バックソナー(バックセンサーとも呼ばれています)とは、車が後退する際に放出される超音波センサーによって、物体の接近をランプやブザーなどの信号で運転者に知らせるというもの。

改正法では後方に取り付ける装置として、後方カメラと、検知システムまたはミラーの“どちらか”と定めていますので、バックカメラとバックソナーの両方を取り付ける必要はありません。とはいえ安全対策の観点からすると、両方が付いているに越したことはないのですが。

義務化されるバックカメラ(標準装備化)

画像: 義務化されるバックカメラ(標準装備化)

国土交通省は2021年6月に保安基準を改正し、車にバックカメラなど(バックカメラや検知システムまたはミラー)の「後退時車両直後確認装置」の装着を義務付けることを発表。2022年5月以降に発売された新型車から、装着が義務付けられました。

とはいえ「新たに登場する新型車」ではなく「継続生産されているモデルの新車」には2023年8月現在、装着義務はありません。しかし2024年5月からは、既存モデルの新車にもバックカメラ(または検知装置)の装着が義務化されます。バックカメラ義務化の適用範囲は「二輪車や特殊自動車などを除いた全ての自動車」ですので、商用車を含むほぼすべての新車に、バックカメラの義務化が適用されるということです。

設置が義務化されるカメラは「車体の後方0.3m~3.5mまでの範囲が確認可能なもの」で、センサー(検知装置)は「0.2m~1mまでの範囲を感知可能なもの」と定められています。

また併せて2022年5月以降に発売される新型車には後方を撮影できるドライブレコーダーが設置された状態で生産することも義務化され、継続生産車(既存モデルの新車)も2024年5月からは、これが義務化されることになっています。

義務化の背景とバックカメラの意義

画像: 義務化の背景とバックカメラの意義

バックカメラの装着が義務化された背景には、車の後退時に「後方確認不足」のせいで歩行者を巻き込んでしまう事故が多発しているという現状があります。

「後方確認不足」ゆえに歩行者を巻き込む事故が多発

公益財団法人 交通事故総合分析センターによると、平成29年に四輪車が後退している際に発生した事故件数は2万件以上。全死傷事故に占める割合は5%に及び、そのなかでも特に、後方の死角に入りがちな「子ども」や「高齢者」が犠牲になるケースが多く報告されています。そのため、後方の死角を大幅に減らすことで事故防止につながるはずの「バックカメラ」が、大いに期待されているわけです。

また送迎バスでは後退時にもっとも多くの事故が起こっていることから、バックカメラの装着は大型車両における事故防止にも有効と考えられています。

一度バックカメラ付きの車に慣れると、「無し」の車には乗れなくなる

そして実際、バックカメラが有ると無いとでは、車を後退させる際の安全性は天と地ほどに変わります。筆者は6年ほど前からバックカメラと検知装置(バックソナー)が付いている車を自家用車として使っていますが、もはやバックカメラ無しの生活は考えられません。

もちろんバックカメラというのはあくまでも補助的なものであり、車を後退させる際にはドライバーが目視にて後方や周囲の状況を確認しなければならないことは、今さら言うまでもありません。バックカメラ“だけ”に頼った後退はきわめて危険であるとすらいえます。

しかし車には「死角」というものが絶対的に存在しているため、「目視による確認」には、どうしたって限界があります。見えないところは、何をどうしたところで見えないのです。そういった限界=死角をバックカメラが補ってくれることにより、バックカメラ無しの時代では到底ありえなかった「安全な後退」が可能になるわけです。

肉眼+カメラの二段重ねで「後退」はより安全になる

画像: 肉眼+カメラの二段重ねで「後退」はより安全になる

世の中には「バックカメラ否定派」みたいな人もけっこういて、「あんなモノはいらない」「付いてるけど使ってない(見てない)」「バックカメラを注視していると逆に危ない」的なことを言います。

それらの意見には一理ある部分もあり、確かにバックカメラだけに頼る後退は、先ほども申し上げたとおりきわめて危険です。必ず、「目視による状況把握」と「カメラによる確認」とをセットにしながら後退させる必要はあります。

しかし何でもそうですが、「昔ながらの勘」みたいなものに「現代科学の粋」をプラスしたほうが、勘だけで作ったり行ったりした場合よりも良いモノができるのは当たり前の話です。

そういった意味で「バックカメラの義務化」というのは好ましい法改正であり、我々ドライバーとしても今後、バックカメラをできる限り有効に活用し、事故を起こしてしまう可能性を少しでも減らしていくべきでしょう。

バックカメラだけじゃない!安全装備充実のおすすめ車

バックカメラおよびバックモニターは安全運転をするうえでは非常に重要な装備ですが、当然ながら、車というのは「バックカメラが付いていれば、それだけで絶対に安心・安全」というわけではありません。バックカメラ/バックモニター以外にもさまざまな支援をしてくれる装備が付いていて初めて、安心・安全な日々の運転は可能になるわけです。

では、そのような「バックカメラ以外の安全装備も充実しているモデル」とは、具体的にはどれを指すのでしょうか? 代表的なボディタイプごとに、先進安全装備の内容が総合的に優れているモデルをピックアップしてみましょう。

軽自動車ならホンダ「N-B0X」

画像1: 軽自動車ならホンダ「N-B0X」

その昔は「軽自動車=安全装備が貧弱」みたいなイメージもありました。しかし最新世代の軽自動車はどれも先進安全装備の類が標準装備となっていますし、「スーパーハイトワゴン」という一番人気のジャンルに属するモデルであれば、特に充実した内容となっています。

そのなかでもあえてベストを選ぶとしたら、ホンダ「 N-BOX」ということになるでしょう。

衝突軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)や誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング等々だけでなく、渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC=高速道路走行時、前方の車両を自動的に追従してくれる仕組み)を含む「Honda SENSING」は、最廉価グレードであっても標準装備。N-BOXの競合であるダイハツ タントやスズキ スペーシアでは、ACCは「上級グレードであれば装着できるメーカーオプション」です。

またそのほかでもN-BOXは、夜間走行時に前方を明るく照射してくれるフルLEDヘッドライトも全車標準装備であり、後退時に後方と斜め後ろにある障害物の接近を音と表示で知らせてくれる「パーキングセンサーシステム」だけでなく、死角になりやすい左側や車両後方の様子まで確認でき、幅寄せや縦列駐車、車庫入れの際に役立つ「ピタ駐ミラー」が全車標準装備されるというのも、さりげなくうれしいポイントです。

画像2: 軽自動車ならホンダ「N-B0X」

N-BOXは2023年の秋に3代目となる新型が登場することが明らかになっています。原稿執筆時点ではコンセプトとデザイン以外の詳細情報は明かされていませんが、関係者によれば3代目は新型カメラを搭載し、ACCや車線維持支援システム(LKAS)の制御をさらに進化させ、人が運転しているような滑らかさを実現したとのこと。

画像3: 軽自動車ならホンダ「N-B0X」

2代目モデルでも軽トップクラスの安全支援性能を持っていたN-BOX。その新型も当面、クラス最高水準を維持するのは間違いないでしょう。

コンパクトカーならトヨタ「アクア」

画像: コンパクトカーならトヨタ「アクア」

コンパクトカーも軽自動車と同様に、ひと昔前までは安全装備のレベルが微妙に貧弱だったりもしましたが、最新世代であればミドルクラスの乗用車に匹敵する内容の各種安全装備を備えるにいたっています。

そういった近年のコンパクトカーのなかでも、各種安全装備がとりわけ充実しているのはトヨタ「アクア」でしょう。

最新世代のToyota Safety Sense(プリクラッシュセーフティ=いわゆる自動ブレーキや全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロール等々の予防安全装備のパッケージ)は全車標準装備で、パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)も、一般ユーザーはあまり選択しない廉価グレード以外は標準装備。

そしてそれに加えて、スイッチを押すだけで駐車操作をアシストしてくれる「トヨタ チームメイト[アドバンスト パーク(パノラミックビューモニター 〈シースルービュー機能〉付 き)]がメーカーオプションとして用意され、停車時警報機能付きのブラインドスポットモニター(車両を停めて降車する際、開けたドアに対して自転車を含む接近車両が衝突する可能性が高いと判断した場合、ドアミラーに搭載されたLEDインジケーターの点滅とブザーで注意を喚起するシステム)も、トヨタのコンパクトカーとして初採用しています。

これらすべてが「標準装備」というわけではないのですが、購入時にオプション装備として装着すれば、一般的なコンパクトカーの水準を超えた「鉄壁の安全体制」を敷くことが可能になるでしょう。

ミニバンならトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」

画像1: ミニバンならトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」

トヨタ アルファード

基本的には大柄で、ボディ形状ゆえに死角も少なくないミニバンタイプの車は、最新世代のモデルでさえあれば、どのメーカーのモデルも安全装備は普通に充実しています。

しかしなかでもとりわけ充実しているのは、大人気のラージサイズミニバンであるトヨタ「アルファード」と「ヴェルファイア」です。

画像2: ミニバンならトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」

トヨタ ヴェルファイア

先進的な予防安全装備のパッケージである「Toyota Safety Sense」は、その最新の最良バージョンが全車標準装備。歩行者や自転車、あるいは車やバイクと衝突する可能性が高い場合、ドライバーによる操舵がなくてもシステムが弱いブレーキをかけながら操舵を行い、車線内での衝突回避を支援してくれる「緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付き)」や、出会い頭の事故防止をサポートしてくれる「フロントクロストラフィックアラート」も上級グレードには標準装備となり、普及グレードでもメーカーオプションとして装着することができます。

またそのほか「歩行者の横断」や「飛び出してくるかもしれない」など、運転の状況に応じたリスクの先読みを行うことで、危険に近づきすぎないよう運転操作をさりげなくサポートしてくれる「プロアクティブドライビングアシスト」が全車標準装備であるというのも、新型アルファード/ヴェルファイアの大きな特徴です。

以上のほかにもさまざまな安全装備が標準またはオプションとして装着されるため、新型アルファードとヴェルファイアは「先進安全装備の全部盛り」と評しても過言ではない一台だといえるでしょう。

SUVなら日産「エクストレイル」

画像: SUVなら日産「エクストレイル」

現代のSUVは悪路をガンガン走るというよりも、舗装された一般道や高速道路を快適に走ることこそを本分としているため、基本的にはどのメーカーのモデルも、ミドルクラスの最新世代であれば安全装備は大いに充実しています。

そんななかでも「とりわけ充実している」といえるのは、2022年7月にデビューした日産「エクストレイル」でしょうか。

ミドルサイズのSUVなので当然といえば当然ですが、いわゆる自動ブレーキなどの基本的な先進安全装備はひととおりすべて標準装備。そのうえで、ナビリンク機能付きのプロパイロットは最廉価グレードである「S」を除く全車に標準装備されています。このプロパイロット(ナビリンク機能付き)というのは、いわゆるACC(アダプティブクルーズコントロール)として高速道路でアクセルとブレーキ、ステアリング操作をアシストしてくれるだけでなく、NissanConnectナビゲーションシステムと連動してあらかじめカーブやジャンクションを把握し、スムーズに曲がれるよう車速をコントロールしてくれるというものです。

またグレード別に設定されている「プロパイロット パーキング」は、3ステップの操作だけで駐車完了するまでドライバーをアシストしてくれるシステム。道路脇の縦列駐車やショッピングモールの並列駐車、自宅での車庫入れなど、さまざまな駐車スペースにおいて、素早くスムーズに作動します。

そのほか「360°セーフティアシスト(全方位運転支援)」により、ほぼ文字どおり全方向における安全を見事に支援してくれるというのも、エクストレイルならではの特徴です。

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バックカメラは後付けできる?

画像: バックカメラは後付けできる?

2022年5月以降にデビューした新型車であれば、すべてのグレードにバックカメラが標準装備されています。また新型車ではなく「継続生産されている新車」も、多くのモデル・多くのグレードにおいてバックカメラが搭載されています。

しかし今現在乗っているちょっと古めな車や、これから買うかもしれない中古車に、バックカメラを後付けすることは可能なのでしょうか?また社外品のバックカメラを装着することのメリットとデメリットにはどんなものがあるのか?専門家が解説します。

後付けのメリット・デメリット

バックカメラを後付けするメリットは多々あります。後退時にドライバーが振り向いて後方を確認する方法ではどうしても「死角」が生まれますが、バックモニターを装着すれば、それまでは死角だった箇所を可視化することができ、衝突や歩行者の巻き込み事故が発生するリスクを極端に低くすることができます。

またバックカメラは「あおり運転対策」の一助にもなります。ステッカーなどで「後方撮影中」などとアピールすることで、あおり運転を抑止する効果が期待できますし、万一被害にあったときにも「証拠映像」を記録し、警察に提出することが可能となります。

バックカメラを後付けすることの「デメリット」はさほど多くはなく、また大きいわけでもありませんが、とはいえいくつかのデメリットは存在します。

ひとつは、自動車メーカー純正のバックカメラは価格が高いということです。工賃を含めて5万円以上の出費にはなるでしょうし、純正のバックカメラが純正カーナビと連動しているケースでは、そもそも「純正バックカメラだけでは装着できない」ということもあり得ます。

しかしそういった場合でも社外品のバックカメラは装着できますし、その場合は費用も純正バックカメラよりはずいぶん安い場合が多いでしょう。とはいえ、強いて言えばのデメリットとしては「バックカメラを付けるとそれに頼りすぎるようになって、逆に後退時の危険が増す」というのもあります。

適切に使えば非常に便利なアイテムであるバックカメラですが、決して100%万能な何かであるわけではありません。そのことを忘れて目視による確認がおろそかになり、カメラのみに頼ってバックをしていると、いつの日か、カメラの画角外から現れた歩行者などと接触してしまう――という事故が起こるかもしれません。

バックカメラの選び方

画像: バックカメラの選び方

社外品のバックカメラを選ぶ場合、以下に記す4つのポイントを軸に種類を絞っていく必要があります。順番にご説明いたしましょう。

1. レンズのタイプ

バックカメラのレンズには「標準レンズ」と「広角レンズ」の2種類があります。標準レンズは肉眼に近い画角で、障害物との距離感をつかみやすいというメリットがあります。ただし映し出される範囲は狭いため、どうしても死角は多いというのがデメリットになります。

一方の広角レンズは、映し出される範囲は広いのですが、映像が歪んで見えるため、正確な距離感をつかみにくいのがデメリットとなります。一概にはいえませんが、運転初心者の方は距離感がつかみやすい標準レンズが、車の運転に慣れている人には、より広範囲を確認できる広角レンズが向いているでしょう。

2. 画質

事故の発生確率が高い夜間においても鮮明な映像を映し出すためには、画質も重要となります。「30万画素以上」を目安にするといいでしょう。

3. 赤外線センサーやLEDライトの有無

赤外線センサーやLEDライトが付いておらず、なおかつ画素数30万以下の社外品バックカメラは、安いのはいいのですが、夜間に鮮明な画像を映し出すのは困難となります。

4. 接続方法

バックカメラの接続方法は「有線」と「無線」があり、有線タイプのほうが安定した通信状況で映像を確認できますが、取り付け(配線)が難しいというデメリットはあります。一方の無線タイプは通信の安定性にやや欠けるときがありますが、社外品のバックカメラを「自分で後付けしたい」と考える場合にはおすすめとなります。

おすすめバックカメラ5選

●Panasonic「リヤビューカメラ CY-RC110KD」

画像: panasonic.jp
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HDR機能を搭載した、視認性の高いバックカメラです。
従来モデル(CY-RC100KD)のレンズF値2.0から1.8に変更することで最低照度が向上。暗いシーンでも鮮やかに色を再現し、画像ノイズも抑制されることで、見やすい画像が提供されます。また画角も従来モデルより拡大され、
近づいてくる自動車や自転車、歩行者をいち早く認識できるようになりました。

そして従来モデルと同様にHDR(ハイダイナミックレンジ)対応イメージセンサーの搭載によって、強い光のある場所や暗い場所で発生する白飛びや黒つぶれを抑制することで、見やすい画像を実現しています。

●KENWOOD 「スタンダードリアビューカメラ CMOS-230」

画像1: www.kenwood.com
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夜間においてもクリアな映像を出力できるバックカメラです。高感度CMOSセンサー(1画素ごとに信号を増幅する方式のセンサー)を搭載しているため、夜間においてもノイズの少ない鮮明な映像が映し出されます。画素数も約33万画素ですので十分といえるでしょう。

防水性・防塵性も十分な設計であるため、悪天候下でも対応可能です。本体の寸法は23.4×23.4×23.9mmとコンパクトで、車への取り付けは、ブラケットを使って必要に応じてビス止めを行います。

●KENWOOD「デジタルルームミラー型ドライブレコーダー DRV-EM4700」

画像2: www.kenwood.com
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バックカメラとフロントカメラを搭載したドライブレコーダーです。映像を映し出すルームミラーは大型の12型IPS液晶で、通常のミラーと違って車体や荷物による死角がなくなるため、しっかりと後方を確認することができます。

ルームミラーの操作はタッチパネル式で、直感的な操作が可能。そしてミラーの固定は純正ミラーに付属の固定用バンドで留めるだけと、非常に簡単です。

車の前後を映し出すカメラは高感度なCMOSセンサーを搭載。加えてデジタル放送と同じ207万画素フルハイビジョンカメラにより、きわめて鮮明な映像を出力することが可能です。レンズは広角タイプ。

●ALPINE「HDRバックカメラ HCE-C1000D」

画像: www.alpine.co.jp
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後退時の進行方向をしっかり確認したい人におすすめのバックカメラです。バック操作時、切ったハンドルの角度から曲がる方向を予測し、カメラ映像に進路を示すガイド線を表示してくれます。車種ごとに実車で計測したデータに基づくガイド線表示であるため、社外品であっても、車幅や進行方向は正確に把握することが可能です。

バックドア付き車の場合は、バックドアの開閉に必要な距離の目安も表示してくれますので、外出先で荷物を出し入れする機会が多い人に向いています。

そして従来型比で2倍となるHDR(ハイダイナミックレンジ)技術を採用しているため、暗い場所でも強い光の照明や後続車のライトのためカメラ映像が白とびすることが少なく、強い日差しのある場所でも、白とびで見えづらくなることが抑えられています。

●Pioneer「バックカメラユニット ND-BC8II」

画像: jpn.pioneer
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カロッツェリアのカーナビやカーAVをはじめ、RCA映像入力端子付のさまざまなモニターと組み合わせて使用できる汎用バックカメラです。

画像の輪郭や視野角を最適にチューニングすることで、歪みの少ない自然な画質を実現。そしてカメラ部に約31万画素、4分の1インチの高性能CMOSセンサーと原色カラーフィルターを採用することで、HDRではありませんが、昼間は鮮明に、夜間でも自然な発色で見やすく画像を表示できるのが特徴となります。

電源ボックスの機能をカメラ部に内蔵するとともに、中継カプラーを小型化。ケーブルのみのすっきりした配線であり、バックカメラ本体と配線引回し作業が別々に行えるので、効率良く、スムーズな取付けが可能となります。

バックカメラを後付けする方法

画像: バックカメラを後付けする方法

バックカメラの後付けはD.I.Y.で行うことも不可能ではありません。「車を自分で整備するのが趣味」というような人であるならば、D.I.Y.に挑戦してもよいのかもしれません。

ただし有線タイプのバックカメラは電源から配線を延ばし、車の後方まで引き寄せなくてはなりません。そういった大がかりな整備ができる場所と技術がないと、配線を車内部に通すのは難しいものです。そのためD.I.Y.でバックカメラを取り付けると、配線むき出しの不格好な仕上がりになりがちです。そして装着が比較的簡単な無線タイプは、簡単な代わりに「通信が今ひとつ安定せず、コマ落とし的な画面になってしまうこともある」という問題点があります。

またバックカメラの取り付けは保安基準を守る必要もあり、外装表面に「曲率半径が2.5mm未満である突起」があると保安基準に違反してしまうことになります。またD.I.Y.で行った場合には、カメラの取り付け角度が微妙にいまいちだったせいで「付けたはいいけど、うまく映らない!」なんてこともあり得る話です。

そのためバックカメラの取り付けは、やはり「有線タイプの装着を業者に依頼する」というのが確実で安全なやり方といえるでしょう。自動車の整備や修理を請け負ってくれる会社や、カー用品の量販店であれば、どこでもバックカメラの後付け作業を請け負ってくれるはずです。そしてカー用品店であれば、店頭で購入したバックカメラをその場で取り付けてもらえます。社外品のバックカメラを業者に取り付けてもらう場合の工賃は、1万円台から3万円台までがおおむねの相場です。

バックカメラに関するよくある質問

「バックカメラ」というものを何年も前から使い慣れている方も多いでしょうが、「いきなり“義務化”とかいわれても、よくわからないよ!」という方もいらっしゃるはず。そこでここでは、バックカメラおよびバックモニターに関する「素朴な疑問」と「よくある質問」を集め、それにお答えする形で“バックモニターの基本”をお伝えしてまいります。

バックカメラとバックモニターの違いは?

「バックカメラ」とは、文字どおり「車の後方を映すカメラ本体」のことです。それに対して「バックモニター」は、本来は「バックカメラが撮影する画像を映し出すためのモニター」を意味する言葉です。しかし多くの場合、バックカメラが撮影した画像はそれ専用のモニター画面ではなく「カーナビの画面」に映し出されるものです。そのため実際の新車カタログなどでは「バックカメラと表示用モニターの組み合わせ」のことを「バックモニター」と表現し、カメラ単体のことを「バックカメラ」と表現する場合が多いようです。

「Backup camera」とはどういう意味?

「Backup camera」とは、要するに日本語で言う「バックカメラ」のことです。車の後方を映し出す専用ビデオカメラのことを日本ではバックカメラと呼んでいますが、これは実は和製英語で、英語圏では「バックアップカメラ(Backup camera)」または「リアビューカメラ(Rear view camera)」「リバースカメラ(Reverse camera)」などと呼ばれています。

いつから義務化されますか?

2022年5月以降に発売された新型車はすでにバックカメラまたは検知装置の装着が義務付けられており、それ以前から継続生産されている既存モデルの新車についても、2024年5月からはバックカメラまたは検知装置の装着が義務化されます。

とはいえこの義務化はあくまでも自動車メーカーにとってのものであり、我々ユーザーが以前から継続所有している車を対象とするものではありません。つまり今のところ、「2024年5月までに今乗ってる古い車にバックカメラを付けないとヤバい!」という話ではありません。

バックカメラの車検基準は?

道路運送車両法により「外装表面には曲率半径2.5mm未満の突起」を「直径100mmの球体が接触する部分」に付けてはならないという保安基準が定められています。これに該当する位置にバックカメラを付けると車検に通らないだけでなく、公道の走行中に警察から整備不良を指摘され、ペナルティを受ける可能性があります。

そういった事態を避けるためにも、基本的には専門業者に取り付けを依頼するのが安全策ではあります。どうしてもD.I.Y.でバックカメラを装着したい場合は、「テールゲートスポイラーの下」や「ナンバープレート」「リアバンパー」に、道路運送車両法に抵触しないよう注意しながら作業する必要があります。

バックカメラを取り付けるのに費用はどれくらいかかる?

バックカメラ本体の価格モノによって本当にさまざまですが、おおむねの相場は2,000円~3万円といったところです。取り付け工賃も機種によるのですが、多くの場合で1~3万円ほどになるでしょう。

どんな車種でもバックカメラは絶対にあったほうがいい!

バックカメラというものに対する考え方や感じ方は人それぞれかと思いますが、一度使ってみると、それなしで車を後退させるのがちょっと怖くなってしまうほど、便利で安心できる装備であることは間違いありません。そのため、バックカメラの装着が義務化された2022年5月以降の新型車を買うのもおすすめですし、既存モデルであってもバックカメラが標準またはオプションとして用意されている車を選ぶことをおすすめしたいところです。また古めの車であれば、いささかの部品代と工賃はかかりますが、高性能な社外品を装着してみるのも絶対のおすすめです。ぜひ「後方視界」をより鮮明にして、安全で楽しいカーライフを引き続きご堪能ください。

※この記事は2023年7月時点の情報で制作しています

この記事の執筆者

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モータージャーナリスト 伊達軍曹(だてぐんそう)

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。

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