色が持つ“豊かな可能性”と新ブランドのビジョン

イベントの冒頭には、日本ペイント株式会社の榎本朋夫代表取締役社長が登壇。長年培ってきた技術力と社会への貢献に触れつつ、現代の空間や暮らしに寄り添う新ブランド「COLORMONY」の立ち上げを力強く宣言しました。

トークの中で特に印象的だったのは、「もし私たちの身の回りから色がなくなったら?」という問いかけです。中東情勢の影響でパッケージをモノクロに変更したある食品が、購入意向を71.5%から44.8%へ大きく激減させた実例を提示。「色は単なる装飾ではなく、人の感情を動かし、経済や文化にまで影響を与える実務的な力がある」と熱弁しました。

「COLORMONY」では、1,300色を超える圧倒的なカラーバリエーションの用意や、施工・販売店と連携したスムーズな調色環境の整備を推進。

さらに、天然の貝殻を用いた豊かな質感の新作塗料「シェルサンド」や、世界中のデザイナーが競う「クリエイティブカラーアワード」といった新たな展開も発表されました。施主、設計、施工、販売の誰もが「色を選ぶ喜び」を共有し、暮らしを豊かに彩るための包括的なサポート体制に、会場からは大きな期待が寄せられました。
「色彩にまつわる設計手法」トップクリエイターが紐解く“色が生まれる条件”

続くゲストトークセッションでは、「色彩にまつわる設計手法」をテーマに、建築・デザインシーンの最前線で活躍するトップクリエイター3名とモデレーターの山田泰巨氏が登壇。「感覚で色を選ぶのではなく、色が生まれる条件をいかに設計するか」という本質的な議論が交わされました。

建築家の中山英之氏は、箱根のポーラ美術館での空間構成などを例に、光や影と調和して生まれる繊細な色の重なりを提示。単に表面を塗るだけでなく、その場の空気感や奥行きまでデザインする重厚なアプローチを語りました。

建築家の藤原徹平氏は、神戸市立垂水図書館などの事例や巨匠マティスの世界観に触れつつ、現場で披露された移動式調色マシンの技術革新に着目。学校などの公共空間に応用することで、地域や街の景色を色彩で更新していく明るい未来像を描き出しました。

また、インテリアブランド「HAY」の演出などを手掛けるグラフィックデザイナーの田部井美奈氏は、光と立体の関係性を切り取る独自の視点から、グラフィックと実空間が交錯するダイナミックな色彩作用の魅力を紐解きました。

クロストークでは、「空間でどう過ごしたいか」「光がどう差し込むか」という条件から色を導き出すプロの思考プロセスが明かされ、参加した多くのクリエイターに強いインスピレーションを与えました。
色彩の魔法で、明日からの日常をもっと自分らしく

空間の印象をガラリと変え、住む人の心や行動までポジティブに導いてくれる「COLORMONY」。今回のイベントは、色という存在が私たちの日常や空間価値をいかに劇的に変えてくれるかを深く体感できる特別な時間となりました。
