ダイエットや腸活への意外な落とし穴はお口の中の悪玉菌？！

2023-09-01

ダイエットや美肌のため腸活が注目を集めている近年。実はケアしているつもりが、その効果にも影響する落とし穴が、お口の中にあったんです。今回は多くの人が知らない意外な盲点について説明していきます。今後のオーラルケアや腸活の参考にしてみてくださいね。

美容と健康のため近年は腸活を取り入れる人も多い

近年、免疫や体調管理、美容、ダイエットなどの目的も兼ねて腸活が注目されています。というのも健康や美容、体調管理はまずは食事でしっかり栄養を摂ることが基本です。そのためには食べたものを消化吸収し、しっかり代謝するために「腸」の機能が大切だからです。腸の機能が低下していると、栄養素がきちんと血液に送られず、代謝も鈍ってダイエットにも影響を及ぼす可能性が大きいです。

Kenvueが行った20代〜30代の男女3,000人を対象に行った調査によると、体調管理に課題を感じると答えたのが2,509人。その方たちに体調管理のためのケアを行っているかと聞くと、66.5%が何らかのケアを行っていると回答。具体的には「運動」(31.5%)、「食事」(28.1%)、「サプリメント」(21.5%)、「睡眠対策」(16.2%)が多く、これら基礎的なケアに次いで多いのが「腸活」(13.8%)でした。

「腸活」は体調ケアのTop5入りとなり、目的としては便秘改善、免疫力の向上、ダイエット、美肌、老化予防など健康と美容を考えて行っている人が多く、これからも注目を集めそうなのが腸活です。

身体づくりの効果にも影響する可能性のある意外な盲点とは

腸活を行っている人は普段の生活にもルーティーンとして取り入れるなど継続意向も高いです。しかし実は意外な落とし穴がお口の中にあったんです。2019年に行われた研究では、唾液と便から採取した菌の約3割がどちらからも採取されたと発表されました。このことから、「口の中の悪玉菌が飲み込まれ腸まで届き定着していることが考えられ、口内の悪玉菌が腸内に到達し、腸内フローラに影響を与えている可能性がある」ことがわかっています。

このことは腸活実践者でも約8割が知らず、腸活を行っている人にとって、知らぬ間に腸内環境を乱してしまっている可能性のある盲点だといえます。

歯科医師グランプロデンタルクリニック銀座院長福島一隆氏は次のように説明します。口内の主な悪玉菌としては、虫歯の原因となるミュータンス菌や、歯周病の原因となるジンジバリス菌(P.g.菌)などが挙げられます。中でも、口の中にいるP.g.菌は非常に強力な菌で、飲み込むと胃酸でも殺菌もすることができず、腸内に到達し腸内環境を乱してしまうと言われています。免疫力を向上させ、食べ物の消化吸収を助けてくれると言われている腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、全身の体調バランスも崩れてしまったり、せっかく取り組んでいる腸活も台無しになってしまうおそれがあります。

また、しらはた胃腸肛門クリニック横浜院長の白畑敦先生はお口からの悪玉菌摂取について、悪玉菌自体が直接体内で何か悪さをするわけではありませんが、悪玉菌が腸内に到達することで腸内細菌のバランスを壊してしまう可能性が指摘されています。そのため、悪玉菌の体内への侵入をできるだけお口の段階でストップ、コントロールすることは、身体づくりを行う上での大切なポイントであり「腸内環境を整えること」に有効であると考えますと言います。

腸内環境を整える新常識とは？

腸活は身体づくりにもポイントになることは、理解していたものの、お口の中まではケアできていなかったかと思います。飲み込まれると腸まで届いて定着し、腸内フローラに影響を与える可能性がある悪玉菌は、お口の中の「バイオフィルム」の中に潜んでいます。対応策としては、日常的な歯磨きやフロスでのケアと併せて、日々のルーティーンとして取り入れやすいマウスウォッシュなどを活用することは、お口の悪玉菌を退治する上で簡単に取り組むことができる方法なのではないかと白畑先生は述べます。

基本的なケアでもある歯磨きやフロスでケアができるのはお口全体の約25%ともいわれているため、プラスしてマウスウォッシュを活用する利点も大きいそうです。91.3%の人が口内環境に対する認知がなかったことを考えると、こちらも盲点ではありますね。

腸内細菌のバランスが整うことで、身体づくりにも良い影響が

腸内環境が整い、腸内細菌のバランスが整うことによって、消化が良くなったり、代謝も上がったり、免疫力アップにもつながります。ダイエットをされている方であれば、腸内環境が整うことで脂肪の分解や代謝がスムーズにできるようになるので太りにくい身体になります。また、栄養素の吸収効率も良くなるため、トレーニングには欠かせないビタミンやミネラルなどの効率的な吸収にも効果が見込めます。体調管理だけでなく身体づくりにおいてもメリットは計り知れませんと白畑先生は教えてくれました。

ケアしている方は食べ物や飲み物、サプリなどで腸活を行っているかもしれませんが、腸に入る菌として盲点であった口内についても今後はケアしてみてはいかがでしょうか。腸活に更なるメリットをもたらしてくれるかもしれません。