キーワードは「おくち美活動」「旅備(たび)コスメ」「コンシーラー七変化」「成分フリーpick」「バリュパ消費」♩

アイスタイルは、「@cosmeベストコスメアワード2024下半期トレンド予測」を発表いたしました。

「@cosmeベストコスメアワード2024下半期トレンド予測」は@cosmeベストコスメアワードの関連企画であり、@cosmeに投稿されたクチコミや@cosme STORE/@cosme TOKYO、@cosme OSAKAでの売り上げ等の分析、その他ユーザーアンケートなど関連情報からみえる生活者の意識変化と美容プラットフォーマーとしての知見から、今後の生活者インサイトや美容トレンドを予測するべく発足された「@cosmeトレンド予測部」が、2024年の下半期のトレンドをキーワード化したものです。

おくち美活動(びかつどう)

画像1: おくち美活動(びかつどう)

2020年から続いたコロナ禍のマスク生活では、「口臭」が気になって対策アイテムを使用したり、マスクで口元が隠れているうちに「歯列矯正」を実施するなど、オーラルケアに関心が集まりました。

画像2: おくち美活動(びかつどう)

そのトレンドの象徴ともいえるのが、お口の中の汚れと磨き残しを除去し、口臭の原因の一つであるタンパク質を固めて洗い流す口内洗浄液「オクチレモン」です。昨年のベスコスで殿堂入りを果たし、大ヒットとなりました。@cosme TOKYOでも、2年連続で年間売上TOP3にランクインし、マスク着用緩和となった昨年2023年にも年間で約1万個が販売されました。

また、2024年5月下旬に実施した@cosmeユーザーを対象とした「化粧品に関するアンケート 」(以下、ユーザーアンケート)で、オーラルケア(お口の中のケア)についての考えやお気持ちについて聴取したところ、全体の54.2%が「オーラルケアに興味がある」と回答。この結果から、マスク着用が任意となった後も引き続きオーラルケアへの注目が高いことがうかがえます。さらに「オーラルケア(お口の中のケア)にかける金額を増やしたい」と考えている人も若年層も含めて全体の58.2%に及びました。加えて、「オーラルケアは美容の一部だと思う」と回答した人が全体の50.5%と半数になったことからオーラルケアは健康維持や衛生といった目的を超え、美容の観点でも注目される存在になりつつあることが考えられます。

そのトレンドの兆しのひとつとして、美容ブランドが審美目的も意識したオーラルアイテムを発売する動きがあります。

画像3: おくち美活動(びかつどう)

例えば、上半期ベストコスメの日用品部門には、スキンケアを中心としたコスメブランドを多く擁す石澤研究所より、歯磨撫子「重曹歯ぬぐいシート」が1位にランクイン。同ブランドはこれまでもエチケット対策としての歯磨き粉やマウスウォッシュを販売していましたが、本商品はこれまでとは異なる美容ニーズも捉えた商品として注目されました。

画像4: おくち美活動(びかつどう)

また、今年の4月には、美容機器ブランドのYA-MANから口腔洗浄器「ジェットフロス EX」が発売。

画像5: おくち美活動(びかつどう)

さらに同月に、オーダーメイド美白ケア歯磨き粉を謳った韓国で大人気のオーラルケアブランド「VUSSEN(ビュッセン)」が日本上陸を果たしています

今春は形状やバリエーションに加え、美容効果に着目した「歯磨き粉」や、美容機器ブランドからも口腔洗浄器が発売されるなど、NEWアイテムが続々誕生する流れが!

旅備(たび)コスメ

画像: 旅備(たび)コスメ

旅行やお出掛けの機会も増えている昨今ですが、上半期の@cosmeのクチコミでも「旅行用」というワードの出現率が昨対1.3倍、「旅行時」が1.4倍、「旅する」では昨対1.5倍になるなど、「旅」に関連するワードが軒並み伸長しています。

「旅行」というワードの出現率は回復傾向であるものの、コロナ禍前の2019年の水準には戻っていないことに対して、「旅行用」というワードはコロナ禍前以上の出現率となっていることから、"旅行用"に使用出来るアイテムに対する関心が高まっていることが伺えます。

クチコミでも「旅行など持ち歩き用にコンパクトを購入しましたが小さすぎず大きすぎずちょうど良いです」、「日焼け止めとこれだけで十分カバーもできて、旅行に行く時など荷物を少なくできてありがたいです」といったコメントが散見されました。ユーザーアンケートでも「旅行に行くときには「サンプルサイズ」や「ミニサイズ」を選ぶことが多い」という人が全体の76.9%を占め、この結果からも「旅行専用」のコスメへのニーズがあるといえそうです。

また、それらのクチコミを更に分析すると、「ドライシャンプー」「シートマスク」「オーラルケア」「デリケートゾーンケア」「ミニサイズ」「オールインワンアイテム」など、外出先でも気軽に使えたり、持ち運びの便利さが特長のアイテムで、「非常時や防災グッズにも良い」、「防災グッズにも入れたい」といった声が聞かれ、"旅行時に役立つコスメは防災時の備えにも良い"と考える生活者の姿が見えてきました。

加えて、ユーザーアンケートで「災害などのニュースを見ると、化粧品(ヘアケア、ボディケア含む)も備えておいた方がよいと思うことがある」と全体の35.9%の人が回答していることからも、"もしもの時のためにコスメを備える"という意識が生活者のなかに芽生えつつあることがうかがえます。

旅でも備えでも活躍する頼れるコスメが注目されそうです。

コンシーラー七変化

画像: コンシーラー七変化

今年上半期は、@cosmeにおいて、コンシーラーカテゴリの新作商品登録数(※)が昨年の同期間と比べて137%と豊作でした。

かつては、使いこなすためにテクニックが必要なニッチなアイテムだったコンシーラーですが、2017〜18年ごろに「誰でも使えるアイテム」に進化し、更にコロナ禍のマスク生活でファンデーションを使わない「ノーファンデ派」が増え、 「素肌感」を活かしたベースメイク方法のひとつとして"ファンデーション代わりにコンシーラーを使う"というユーザー発の新たな動きが誕生したことをきっかけに、今やベースメイクの基本アイテムとして浸透しています。さらに、昨年は「中顔面短縮」するメイクテクニックの広がりや、「自然な盛り」を好むトレンドから涙袋を作るためのアイテムとしても話題となりました。

クチコミでも、涙袋を作る「涙袋コンシーラー」が昨対1.5倍、さらに眉の存在感を薄くする「眉コンシーラー」というワードは昨対で5倍も伸びており、コンシーラーの用途が広がりつつあることがうかがえます。

更に、ユーザーアンケートでも「シミやクマなど気になる部分を隠す以外の目的でコンシーラーを使用することが増えた」と回答した方が全体で24.9%、10代では30.7%が回答しており、変化が感じられます。

上半期に発売されたコンシーラーをみてみると、涙袋や眉コンシーラーはもちろん、「立体感」や「陰影」などを謳ったものやコントロールカラー・ハイライトを組み合わせたパレットが登場しているなど、ブランド側にも生活者のニーズの変化に呼応した動きがみられます。

今年下半期は、使用法や用途に合わせたアイテムやコンシーラーを使ったメイクテクニックが益々多彩になり、コンシーラーがひとつで何役も果たす「七変化アイテム」として活躍することが期待できそうです。

成分フリーpick

画像: 成分フリーpick

2020年、マスク生活による肌荒れが鎮静できるとして、韓国発の「CICA(シカ)」が大ヒットし、「成分」への注目が一気に集まりました。

それ以降も「レチノール」や「ナイアシンアミド」、改めて人気を集めた「ビタミンC」まで、様々な成分やその効果が話題となり、成分表記を見て自分の肌に合うものを選ぶ「成分買い」が美容トレンドになりました。

実際にユーザーアンケートでも、スキンケアについて、ここ半年間の意識や行動の「変化」として「成分を意識して化粧品を選ぶことが増えた」と回答している人が全体の43.1%に及んでいます。

さらに近頃では、美容感度が高い人の中で、あえて特定の成分が入っていない「〇〇フリー」な商品を選ぶ動きが見受けられます。クチコミをみてみると「酸化亜鉛フリー」は昨対3.1倍、「グリフリ」では昨対1.7倍、「グリセリンフリー」と「サルフェートフリー」では昨対1.6倍、「タルクフリー」では昨対1.5倍と関連ワードの出現率が上昇傾向となっており、SNSでも「〇〇フリーなコスメ」を紹介してバズる投稿も散見されます。

ユーザー間で話題になっている「酸化亜鉛フリー」のアイテムのひとつとして挙げられるのが、SHISEIDOの「エッセンス スキングロウ」シリーズです。クチコミでは「薄づきカバーなのに、肌が元から綺麗!な人になれる。美容雑誌総なめなのが理解できるファンデでした。 酸化亜鉛フリーで毛穴詰まりしないところに惹かれて購入しました。」という声がきかれ、生活者が"酸化亜鉛フリーであることによって毛穴トラブルを防げる"という効果に魅力を感じていることがわかります。

また、生活者の関心を反映してか、企業からも〇〇フリーを発信する動きが見受けられます。
例えば、6月にリニューアして発売されたNARSの人気チーク「ブラッシュ N」は「タルクフリー」、4月に発売された「休みながら美しく"休息美容"」コンセプトのヘアケアブランドmeltの「モイストシャンプー・トリートメント」は「サルフェートフリー」、2月に発売されたなめらか本舗のマイルドな使用感で乾燥から肌を守る敏感肌用の化粧水「マイルド化粧水 NC」は「グリセリンフリー」と、それぞれ「〇〇フリー」であることを訴求ポイントに商品展開を行っています。

2024年下半期は、今はまだ話題になってない新たな「〇〇フリー」な成分に注目が集まるなど、特定の成分が入っていない「〇〇フリー」でアイテムをpickする動きがますます広がっていくかもしれません。

バリュパ消費

画像: バリュパ消費

昨今、「ファッション、フィットネス、食事、趣味」など各界隈で「タイパ(タイムパフォーマンス)」を意識したサービスや商品展開が加速しています。コンビニ大手のローソンでは、この春「タイパ」や「コスパ」を意識した商品を発売。また、大手スポーツクラブのRIZAPでは、タイパもコスパも抜群と謳う低価格ジム「chocoZAP(チョコザップ)」がヒットし、黒字化を達成したという報道も記憶に新しいところです。

この流れは美容業界でも見られており、@cosmeのクチコミでは 出現件数としては「時短」というワードが多いものの、出現率は横ばいなのに対して、「タイパ」というワードは昨対7倍の出現率となり、大きく伸長しています。

一方で、「タイパ」というワードの使われ方を分析してみると、現状では従来の「時短」とほぼ同義の言葉として使われていることが多いことがわかりました。しかし、ユーザーアンケートでは「化粧品や美容における『時短』と『タイパ』は違う意味だと思う」と回答した人が全体の36.3%に及び、それぞれの言葉を別の意味として認識している人が、実は約4割も存在していることがわかります。

さらに、フリーコメントの回答欄を分析すると「タイパ」というワードを「効果と時間がトレードオフにならない」、「最初に多少時間をかけてでも、後で得られる効果が最大限になる」という意味で捉えている傾向がみられました、加えてユーザーアンケートでは「多少時間やお金、手間がかかっても、価値のあるものを手にしたいと思う」と回答した人が全体の約半数となる46.7%を占めています。

また近年、「MBTI、肌タイプ、骨格診断」などの診断系コンテンツの人気が続いており、プロに診断してもらうことに時間やお金をかける人も少なくありません。ユーザーアンケートでも「顔タイプ・骨格タイプを意識することが増えた」と回答した人が10代・20代の若年層で21.9%、「パーソナルカラーを意識することが増えた」と回答した人が10代・20代の37.8%となるなど、とくに若年層で関心が高いことがわかりました。こういった診断系コンテンツへの関心の背景には、最初に時間や手間をかけて自分の傾向や似合うものを知ることで、その後の人間関係の構築がスムーズになったり、化粧品を失敗なく短時間で選べるようになるなど、長期的な視点での価値やリターンを考える価値観があり、これはまさに前述のアンケート結果とも一致する考え方といえそうです。これらのことから、@cosmeでは、このようないわば「本質的なタイパ」を求める消費傾向を、新たに「バリュパ消費」と名付けることにしました。

Z世代の消費行動に詳しいトレンダーズの中谷氏のコメントにもある通り、若年層ほど無意識のうちに「バリュパ」な選択をしている可能性も考えられることから、特に若年層も取り込みたいと考える企業においては「タイパ」の価値が単なる時短ではなく、本質的な「バリュー」にあることを理解した商品作りや訴求が求められそうです。

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