持続可能なライフスタイルの提案を進める商社の豊島株式会社は「お客様とともにー資源の循環にJOINしよう!」をテーマに、第6回「サステナブルファッションセミナー」を開催。第6回目となる本セミナーの第一部では、2024年9月より開始している、異業種連携によるアップサイクルの取り組み「トヨタアップサイクルプロジェクト」について、トヨタ自動車株式会社、株式会社アーバンリサーチを招いて、その想いと連携の効果などについて語りました。

トヨタアップサイクルプロジェクト

画像1: トヨタアップサイクルプロジェクト

先ず、登壇したのはトヨタ自動車株式会社 新事業企画部 事業開発室 主幹 中村 慶至氏。「トヨタアップサイクルプロジェクト」としての活動について次のように語りました。

画像2: トヨタアップサイクルプロジェクト

「今まで、車づくりの工程の中で車を目指したけれど車になれなかった素材。例えば、座席の本革シートで使用する革に傷やシワがあって使えない資材などが廃棄となって燃やされてCO2になってしまうなどの課題がありました。自動車づくりで出てくる、もったいない素材をモノづくりとパートナーシップの力を活用して価値あるものに生まれ変わらせようと循環型社会の構築や”「モッタイナイ」が「もっといい」に変わり続ける未来”をみんなでつくっていこうと、プロジェクトを進めています。

「トヨタアップサイクルプロジェクト」はトヨタ自動車だけではできないということに、プロジェクトを進めれば進めるほど、痛感しています。そのため、いろんなパートナーに助けていただき進めているのが現状です。アップサイクルでは廃材のため、いつ、どの色で、どのサイズの素材がどれだけ使えるのか読めないため、モノづくりの非効率との戦いがあります。また、長く使っていただくためのデザイン力も課題です。最初は廃材を使用して小物やカバンを自社でつくっていましたが、その後は幅を広げるため、パートナーシップを結び、他社と一緒に取り組むようになりました。今後もコラボレーションを増やして業界を越えて、アップサイクルを広げていく活動を目指しています。」

画像3: トヨタアップサイクルプロジェクト

続いて登壇した株式会社アーバンリサーチ 執行役員 萩原 直樹氏。

「アパレルのセレクトショップであるアーバーンリサーチはSDGsにも力を入れていて、さまざまな取り組みを行っています。廃棄衣料アップサイクル『commpost』として、『衣料品の廃棄』『就労困難者』を異業種共同で同時解決を目指す取り組みを行っていて、それが『Good Life Award』などを受賞しています。このような取り組みで培ったノウハウを活用してトヨタ自動車さんや豊島さんと一緒によりよいものをつくっていければと思っています。」と語りました。

トヨタ自動車×アーバンリサーチ×豊島のトークセッション

画像: 左から一般社団法人unisteps共同代表理事の鎌田 安里氏、トヨタ自動車株式会社の中村氏、株式会社アーバーンリサーチの萩原氏、豊島株式会社の神野氏

左から一般社団法人unisteps共同代表理事の鎌田 安里氏、トヨタ自動車株式会社の中村氏、株式会社アーバーンリサーチの萩原氏、豊島株式会社の神野氏

その後はファシリテーターに一般社団法人unisteps共同代表理事 鎌田 安里紗氏も入り、トヨタ自動車の中村氏、アーバーンリサーチの萩原氏、二つの企業を繋ぐきっかけをつくった豊島株式会社の神野 伊知郎氏によるトークセッションが行われました。

今回のプロジェクトは3社で進めるため、それぞれの役割としては、トヨタ自動車で全体のコンセプトや素材提供を行い、素材の解析やモノづくりの場を整えることを豊島、消費者目線でデザインなどをアーバンリサーチが行っています。

今までもアーバンリサーチが開催している京都のマーケットや虎ノ門ヒルズのアーバンリサーチが運営している店舗内でトヨタ自動車の商品の販売を行っていると萩原氏は言います。

画像: トヨタ自動車×アーバンリサーチ×豊島のトークセッション

ディスプレイに自動車工場で使われている通い箱が使用され、これが意外に好評でした。これもアーバンリサーチからかっこいいから使おうという提案だったそうで、「自分たちでは気づかない目線でアドバイスをもらえました」と中村氏は語りました。これに対してファシリテーターの鎌田氏も「異業種の共同ならではですね」と言います。それに対して「そうですね。自分たちでは出てこなかった観点が出てきます。トートバックなどもTOYOTAのロゴをバーンと出すと、お客様に拒絶感があるのかな?と思い、取ろうとしてたんです。でもアーバンリサーチさんや豊島さんに見てもらうと、ロゴがある方がかっこいいので、つけましょうとアドバイスをもらい、コラボレーションならではの良さが出たと思います」と中村氏も語りました。このように他業種の方の意見も聞きながら、モノづくりを進めていき、お客様にもアイテムが好評という相乗効果が出ていると話しました。

サーキュラーエコノミーとは

画像1: サーキュラーエコノミーとは

2部ではサーキュラーエコノミーの研究者であり、先進的な取り組みの多いオランダと京都を拠点として活躍する安居昭博氏も登壇。サーキュラーエコノミーについて次のように語ります。

画像2: サーキュラーエコノミーとは

「サーキュラーエコノミーは一方的な大量生産ではなく、ビジネスモデル、モノづくりなどをする時にはじめから廃棄が出ない仕組みづくりをすることが最大の特徴。わたしが普段、履いているジーンズはオランダ企業が開発した世界最初のサーキュラーエコノミージーンズで月額制でリースをして最後は企業に返却するような仕組みとなっています。企業はそれを繊維に戻して新しいジーンズをつくってまた貸し出します。このように廃棄が出ないビジネスです。循環させるためにジーンズの皮のラベルはない方がいい、ファスナーよりボタン式の方が繰り返し使いやすいと、最初から循環をベースにモノづくりが検討されます。リサイクルやアップサイクルとサーキュラーエコノミーの違いはリサイクルは大量生産されたものに対して延命処置され、最後には廃棄されるという点が異なります。」とサーキュラーエコノミーについてわかりやすく説明してくれました。

画像3: サーキュラーエコノミーとは

その後は安居昭博氏も含めてトークセッションも行われ、異業種と繋がった時にその会社にとって廃棄するはずのものが宝に見えることもあるので日本の中でも、どんどんコラボレーションは進んでほしいという意見も出ました。

このように今後は日本でもさまざまな企業のコラボレーションによりサステナブルな社会構築がさらに進んでいくかもしれないですね。

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