伊藤忠商事株式会社は、社会における女性活躍を推進する取組の一環として、「フェムテック」や「女性特有の生活課題」に焦点を当てたイベント「ITOCHU Femtech Jumction!」を 、3月8日(土)〜5月4日(日)の期間で開催。合わせてオープニングセレモニーも開催されました。
「生理」をテーマにした企画展も同時開催

イベント「ITOCHU Femtech Jumction!」は女性の生活課題を「自分ごと化」し、今後の社会のあり方を考える契機として活用できるよう、様々な人・思考が行き交う「交差点」の位置づけとして企画されました。


イベントの開催期間中、ITOCHU SDGs STUDIO 内の展示エリアでは、「生理」をテーマにした企画展「Period museum-生理と社会の交差展-」を開催。

レストラン「星のキッチン」では、養生茶・養生スープの無料試飲、フェムテック・フェムケア商品の展示を実施しています。さらに、「KIDS PARK」「ラジオステーション」連動施策として、産前産後の女性に向けたカラダとココロのコンディションを整えることを目指す運動プログラムなど、女性に嬉しいワークショップの開催も予定しています。
東京都平均の約倍以上の出生率を実現

オープニングセレモニーには伊藤忠商事 代表取締役副社長執行役員CAO 小林 文彦さんが登壇。
「このイベントは伊藤忠商事にとっての初のフェムテックのイベントになります。伊藤忠商事は長く働き方改革を行なっていて、特に女性活躍は不可欠と考えています。朝型勤務制度による全社員の働き方改革や、キャリア形成上の障壁を取除く細やかな個別支援に注力し続けた結果、出生率は全国平均を大幅に上回っています。東京都平均の約倍以上の出生率を実現し、多くの企業や政府、海外からも注目を集めています。このことは私たちの一民間企業の取り組みが、世の中の社会課題への解決へ少し貢献できたのではないかと思ってます。
また、多様化する女性特有の健康課題に対応し、生産性向上や周囲の理解促進を図るべく、フェムテックを活用しています。例えば海外駐在中の卵子凍結費用、妊活費用補助などについても行なっています。フェムテックは女性だけでなく、男性社員にとっても重要な要素であり、ゆくゆくはそれぞれの家庭の幸せにつながると気付かされました。そんな、さまざまな取り組みを推進する中で、気付きも多く、今回のイベントもそのような意味も込めて開催しています」と企画について説明しました。
フェムテック・女性活躍領域での事業化へ

伊藤忠商事 第8カンパニー プロジェクトリーダー 古賀弘子さんからは現在推進中の事業構想等、フェムテック・女性活躍領域での事業化に向けた活動の報告がありました。
大企業20社にインタビュー。社員の離職やエンゲージメント向上においての課題は介護、育児、健康の3つでした。介護や健康は総合的な支援が行政から提供されているのに対して、育児はトータルサポートがないため、ビジネスチャンスがあるのではないかという結論に至りました。家事や育児については今も女性の負担が大きいという結果に。このことから働く女性をターゲットにした育児領域への新規事業開発を進めていきます。以前から進めているフェムテックを含む女性支援市場と就労支援市場を掛け合わせると将来的に40兆円の市場が見込まれます。そこで介護で存在するケアマネージャーの育児版をつくれたらと考えています。仕事と育児の両立プランの作成、育児面ではサービス事業との調整や相談対応、補助金申請の代行など理想のキャリアの実現をゴールとして、サポートができる企業向けサービスを目指していますと説明しました。
本音で語る「女性活躍」

第二部には「本音で語る『女性活躍』~今の社会に思うこと~」をテーマにトークセッションも行われました。写真左から伊藤忠商事執行役員 法務部安全保障貿易管理室長 寺内香織さん、野村證券株式会社代表取締役副社長 鳥海智絵さん、株式会社 つくばウエルネスリサーチ代表取締役社長 久野 譜也さんが登壇。

女性活躍という印象について聞かれると鳥海さんは入社時に女性総合職が2期制だったこともあり、後に続く女性のことも考えて最初は肩肘を張ってしゃかりきに頑張っていました。その後は女性を意識することなく働ける環境だったため、自分らしく働くこともでき、目の前のことを一生懸命こなして今に至りますと話しました。

寺内さんも入社時、内定者の集まりに行った時に東京採用は女性一人で驚いたと言います。職場や業界の集まりでも女性が少ないこともあり、20代は悩みました。ただ、子供が4人いてプライベートも仕事も多忙の中、人事や社内からいろいろとヒヤリングやサポートをしてくれる機会もあり自分のことをアウトプットして息抜きもできていたので、今があると思っていますと語ります。

久野さんは女性の活躍において、生理やフェムテックなどについて男性がいかに理解してなかったのかというのも上がってくると思います。これは男性だけが悪いのではなく、教育にも原因があります。女性活躍については女性だけでなく、男性も理解し、関わっていくことが大切だと思っていますと話しました。

最近は鳥海さんや寺内さんが入社した当時に比べて管理職も増え、女性の活躍も増えています。そして更なる施策も推進していると3名は語り、女性がさらに活躍できる未来へ向かっています。また子育てについても男性が育児休暇を取得するなど、変化も生まれています。しかし日本のお母さんは家族優先で自分を後回しにしがちです。そうすると精神的にも体力的にもまいってしまい、負のスパイラルに入ってしまうこともあるので、しっかりとしたケアが必要だと語りました。
最近の統計だと女性の就業率が8割を超え、ほぼ男女同数が働いていることになります。そこに対して女性の活躍の場を広げるために生理時のサポートや妊活、産前産後、育児のサポートがまだまだ必要だと課題もあげトークショーが終了しました。

「ITOCHU Femtech Jumction!」と「Period museum-生理と社会の交差展-」は3月8日(土)〜5月4日(日)の期間で開催されているのでぜひ訪れてみてくださいね。