穏やかな海と島の暮らしにふれる

瀬戸内海に面する江田島は、穏やかな気候と豊かな自然に恵まれた癒しの島。広島県江田島市は、広島市沖=広島湾に浮かぶ江田島・能美島といくつかの島からなる市。

切串港ー広島港 約30分
瀬戸内海の中では4番目の大きさを誇る島です。旧海軍兵学校、旧陸軍砲台跡など、戦跡レガシーが数多くある島ですが、瀬戸内海でも有数の夕陽ポイント、加えて自転車、トレッキング、カヤックなどアウトドアも盛んな島です。
「割烹大学」で島の恵みをまるごと味わう至福のランチタイム

旅の楽しみといえばやっぱり“食”。江田島でのランチは、地元食材の魅力を存分に堪能できる「割烹大学」でいただきました。店主はなんと、京都で35年間も修行を積んだという本格派!



この日は、せとうちの海の幸「せとうちさかな」をメインに構成。新鮮な江田島近海の魚介を中心に、島で採れた野菜やオリーブオイルなど、“江田島オールスター”とも言える贅沢な一皿が次々と登場!(鱧、鰆、鯛、カンパチ、鱚、イサキ、鮑、車海老、メバル、平目、スズキなど)
京都で培われた繊細な和食の技が融合したお料理は、まさに絶品!一つ一つ丁寧に作られた美しい盛り付けにも感動しました。
深江港で1時間前に捕れたばかりの”生しらす”、特別にご用意いただき!心もお腹もほっこり満たされました。
江田島産鱧のお椀物は、オリーブオイルで味変!マイルドな口当たりになり、コクがでます。
地元の新鮮な海の幸を、熟練の技で昇華させた「割烹大学」のランチ、なんとこんなに豪華で4000円(税抜)コスパの良さにも驚きました。料理長やスタッフの方々の温かなおもてなしにも癒され、まさに“江田島らしさ”を五感で味わえるランチタイムとなりました。
割烹大学
広島県江田島市大柿町大原1174-2
Tel : 0823-57-2409
定休日:火曜日
世界が認めた“江田島オリーブ”の魅力

(一番右の緑のラベル)ニューヨーク国際オリーブオイルコンペティション
(The NYIOOC World Olive Oil Competition 2024)にて、2023年秋収穫製造の「江田島ブレンド ストロング」が金賞、「ルッカ 単一品種搾り」が銀賞受賞
広島でオリーブ栽培?はじめて聞いたときは驚きましたが、日照量が多く、降水量が少ない。ぽかぽかの陽射しが心地いい温暖な気候は、オリーブ栽培にぴったりなのだそう。
オリーブオイル食べ比べ。一緒に食べると味わいが変わり、より美味しく!
中でも、イタリア製の搾油機で丁寧に搾られたエクストラヴァージンオリーブオイルは、国際コンテストでの受賞歴も多数。実際に試食させていただくと、フルーティーな香りとピリッとした辛味がバランスよく調和し、まさに“世界が認める味”だと実感!


そのままパンにかけてシンプルに楽しむのはもちろん、サラダや魚料理とも相性抜群とのこと。オリーブの新漬けなどの加工食品も人気で、お土産としても喜ばれそうです。

また、「いとなみ舎」は観光体験にも力を入れており、ワークショップなどを通じて地域の魅力を発信。なかでも人気なのが、オリーブの収穫体験ができる収穫時期だけの期間限定特別プラン。自身で収穫したオリーブで作ったオリーブオイル、使うたびに旅の思い出も蘇り、より美味しく感じそう!
自然と共生しながら、江田島の新しい価値を生み出す拠点として、今後ますます注目が集まりそうです。
瀬戸内いとなみ舎(オリーブラボ江田島)
広島県江田島市能美町中町3769ー1
海の恵みを“そのまま味わう”贅沢体験

穏やかな波を抱き、青く美しい海はどこか異国さえ感じさせる瀬戸内海。
その一部、広島県内でも有数の牡蠣生産量を誇る江田島。
恵まれた地形に育まれ、熟成され深みのある濃厚な甘みを蓄えた至極の牡蠣たち。
小さな幼生の頃から、手間暇・愛情すべてをかけて、大事に大事に育て、
そのぽってりとした身を使い、シェフが腕によりをかけて作る絶品牡蠣料理の数々。
島々のうつろう美しい景色、波の音に耳を傾けて。
刻々と表情を変える波間をぼんやりと眺めれば、肩の力が抜けていく。
海のほとりで、おいしい時間を。
生牡蠣 産地食べ比べ3種 3個 1,980円/6個 3,850円
OYSTER CAFE江田島でいただいたのは、地元で育ったぷりっぷりの生牡蠣。
瀬戸内海の穏やかな海でじっくりと育てられた牡蠣は、クセがなくクリーミーで、旨みがぎゅっと凝縮されています。まるで海そのものを味わっているかのような、フレッシュさに感動…!そえrもそのはず、同店の生牡蠣は、厚生労働省の検査基準より厳しい自主基準を定めており、全ての基準をクリアした安心、安全、美味しさを追求した牡蠣のみを提供しています。
そのままいただくのはもちろん、レモンをひと搾りするだけでぐっと華やかな味わいに。シンプルな食べ方だからこそ、牡蠣本来の濃厚な風味とミルキーな口どけがより際立ちます。
広島産牡蠣フライ 5個 1045円 ✕2皿
揚げたてをいただく贅沢!シェフがお店で一つひとつ仕込む牡蠣フライ。ひと口頬張ると、サクサクとした食感の後に牡蠣の旨みがジュワ~っと広がります。
瀬戸内しらすと季節野菜のスパゲティ ペペロンチーノ 1,870円






施設内では、生産から出荷までのこだわりの工程も見学でき、衛生面や品質管理の徹底ぶりに驚かされるばかり。「おいしさの裏側には、丁寧な手仕事と誠実なものづくりがある」——そんなことを実感できるスポットでした。
江田島を訪れたなら、ぜひ味わってほしい“海のごちそう”の代表格です。
OYSTER CAFE江田島
広島県江田島市江田島町秋月2丁目49−52
Tel : 0823-27-6173
定休日:火、水、木曜日
“呼吸する壁紙”を織り上げる歴史ある「紙布」と、今を生きる“つくり手”たち
続いて訪れたのは、明治時代から続く全国に二社しか現存しない紙布工場「津島織物製造」。紙布とは、和紙を細かく撚って糸にし、それを丁寧に織り上げていく伝統的な織物。かつては着物にも使われていたそうですが、現在では主に壁紙としての需要が高まり、“呼吸する壁紙”として再注目されています。
工場では、繊細な工程のひとつひとつを職人さんが手仕事でこなしながら、和紙がしなやかな糸に変わり、上質な風合いの織物になっていく様子を間近で見学。
織物のパターンは
機械のリズムに合わせて静かに織り進められていく様子は、まるで工芸というよりもアート。実際にこの紙布は、世界的ラグジュアリーブランドの店舗内装にも採用されているというのも納得の美しさです。
先代から技術をしっかり受け継ぐ5代目
吸湿性・通気性に優れた紙布は、季節を問わず心地よく、住空間の快適さにも一役買ってくれるアイテム。何より、自然素材でできているという点も、サステナブルな時代にぴったりです。
見学の後は、紙布を使ったうちわ作りを体験しました。どれも素敵な紙布で選ぶのも大変!裏表別の紙布を選びました。
選んだのは、50年以上前のデザインで、今はもう作れないというとても貴重な紙布で、男性にも大人気のデザイン。残った部分は栞として制作。
伝統を守りながら、今の暮らしにもやさしく寄り添う江田島の手仕事の真価を感じられる貴重な体験となりました。
津島織物製造
広島県江田島市能美町中町2267−2
Tel : 0823-45-2626
自然と一体になる感動体験
瀬戸内海の多島美と、ここでしか見ることのできない美しい夕陽が楽しめるリゾートホテル「Uminos(ウミノス)」は全室オーシャンビューの絶景宿。目の前には白砂の「入鹿海水浴場」が広がっています。
BBQ利用、日帰り入浴等可能でサップやカヤック、テントサウナ、ジェットスキーなど様々なマリンアクティビティも体験可能。
カヤックを体験してみました。海に浮かびながら、江田島の雄大な自然を全身で感じるひとときは、まさに五感リトリート。刻一刻と変わる海の表情を眺めながら過ごす時間は、ただそれだけで贅沢なひとときに。
Uminos
広島県江田島市沖美町是長1433-2
Tel : 0823-49-1515
Fax.0823-40-5002
波の音、鳥の声、風の歌を感じる完全予約制のこだわりカフェ【Bricolage17 】
江田島の旬の食材をたっぷり使ったランチとカフェメニューが人気のお店【Bricolage17 】。
地産地消率はなんと90%を目指しているとのこと。
カフェのそばには見晴らし台があり、夕方には瀬戸内の空と海が茜色に染まる絶景スポットに。ふと足を止めて、ゆっくり沈んでいく太陽と静かな波の音に耳を傾けていると、時間が止まったような気分に。
この風景を見られただけでも、ここに来てよかった──そう思えるひとときでした。
次回はぜひ、ランチタイムに訪れて、島の恵みを味わってみたい…そんな期待がふくらみます。
Bricolage17
広島県江田島市沖美町是長字四郎五郎1782-11
夢来来内
地元の魅力が宿る「江田島焼」─沖山工房を訪ねて
今回の旅の途中、とっておきの“文化”との出会いがありました。それは、牡蠣の殻から生まれた焼き物「江田島焼」。島の自然と人の手仕事が織りなすあたたかな芸術です。
「江田島焼」を手がけるのは、地元・江田島市出身の陶芸家 沖山努(おきやま つとむ)さん。
京都の名陶芸家・二代勝尾青龍洞先生(信楽焼)に師事し、その後江田島に戻り、1991年(平成3年)に「沖山工房」を開窯されました。注目すべきは、地元の特産品である牡蠣の殻を釉薬に活用した独自の技法。この釉薬は「カキ肌釉(かきはだゆう)」と名付けられ、焼き上がりには白く乳濁した質感と、兎の毛のような繊細な線模様“禾目(のぎめ)”が浮かび上がるのが特徴です。まさに、“江田島だからこそ生まれた焼き物”です。
手捻りでお皿と器を制作。最後は沖山先生が調整し仕上げてくれます。
電動ろくろにも挑戦!手とり足とり教えてくれて、理想な器が完成!
「江田島焼」は観るだけではありません。陶芸体験も人気で、工房では5名以上のグループから陶芸教室を随時受付中。小学校や福祉施設、企業、各地のイベントへ出張しての陶芸体験も行っており、リピートや紹介が絶えないほどの人気ぶり。沖山さんのお人柄も相まって、「分かりやすくて楽しい!」と参加者からの声も多数。手を動かしながら江田島の文化に触れられる、思い出に残るひとときです。
*上記2枚の写真(江田島オリーブの実を使用したオリーブ釉薬使用)
江田島町宮ノ原にある工房には、美しく実用的な器たちが並びます。湯呑や皿、花器など、日々の暮らしにすっと馴染む温かみのある作品ばかり。自然の力を借りて生まれた釉薬と、沖山さんの繊細な手仕事が息づく「江田島焼」は、ひとつとして同じものがない、“一期一会の器”です。
牡蠣の殻から生まれた釉薬。島の風土とともに生きる器。「江田島焼」は、見て、触れて、使うことで、江田島という土地そのものを感じさせてくれます。
江田島焼の沖山工房
江田島市江田島町宮の原3-14-1
Tel.0823-42-4309
Fax.0823-42-1872
まだ知られていない、“とっておきの広島”を体感して

広島湾に浮かぶ、穏やかで豊かな島「江田島」。旅の数日間、都会の喧騒を忘れ、時間の流れがゆっくりとほどけていくような感覚を味わいました。絶景、美食、文化、そして人のあたたかさ…。江田島で過ごした時間は、ただの旅ではなく、人生の“宝物”に。すべてが穏やかに調和し、どこを切り取っても心に残る瞬間ばかり。
次の記事では、江田島でオススメの宿、ホテル業界のアカデミー賞とも称される「World Luxury Hotel Awards2024」で日本初受賞となる2部門を含む合計3部門を受賞した注目ホテルをレポートします!





























