スマートフォンやタブレット、PCなど、日常生活に欠かせないデバイスから届く“通知”が、私たちの心と脳に与える影響とは——。Amazonが全国2000人を対象に実施した「デバイスの通知に関するアンケート調査」によって、特に若年層における“通知ストレス”の実態が浮き彫りになりました。

1日の通知は平均40件、6割が「ほとんど不要」と回答
調査によると、1日あたりに受け取る通知は平均40.2件。そのうち「有益だと感じる通知は10%以下」と答えた人が約6割にのぼり、多くの人が「通知のほとんどが不要」と感じていることが明らかになりました。特に20代以下では平均通知数が50.7件とさらに多く、日常的に大量の通知にさらされている現状がうかがえます。

若年層ほどストレスに敏感 20代以下の4割超が「自由時間の通知でストレス増加」
「自由時間に通知が来るとストレスを感じるか」という質問に、**20代以下の41.2%**が「強く同意」または「やや同意」と回答。これは30代(29.5%)、40代(25.4%)と比べて明らかに高く、若年層ほど通知による心理的影響が強い傾向が見られました。
また、リラックス中に通知で気が散る頻度についても、20代以下では約5割(47.7%)が「頻繁」「ある程度頻繁にある」と回答しており、通知が安らぎの時間にも影響していることが分かります。

「読書中の通知」が最もストレスに 集中型アクティビティとの相性に課題
リラックス方法として人気が高かったのは、「テレビ・動画視聴」「音楽鑑賞」「読書(本・マンガ)」。なかでも**「読書」を選んだ人の約4人に1人**が、「通知によって気が散った経験がある」と回答しました。
脳科学的に見ても、読書は「文字を読み、理解し、想像する」という深い集中を必要とするアクティビティ。そのため、通知による中断はテレビや音楽以上に集中を妨げ、ストレスの原因になりやすいと考えられます。

脳科学者「慢性的な通知ストレスが認知症リスクを高める可能性も」
本調査結果を受けて、東北大学応用認知神経科学センター助教で脳科学者の榊浩平氏は、通知の脳への影響について以下のように解説しています。

「通知が鳴るたびに注意が奪われることで、脳には『集中し直すための負荷』が蓄積されます。不要な通知で情報処理が過剰になり、脳の記憶領域にも悪影響を与える可能性があります。こうしたストレスの蓄積が、長期的には認知症リスクを高める可能性も否定できません。」
さらに榊氏は、通知による中断が多いと作業効率が下がり、ミスが増えることも指摘。とくに読書や学習のような高集中状態が求められる行動においては、通知から意識的に距離を取る時間が重要であると訴えています。
読書に集中するには「通知から離れる」環境がカギ
この調査結果を踏まえ、Amazonでは読書に集中できる環境づくりとして**「Kindle電子書籍リーダー」**の活用を提案しています。KindleはSNSやメッセージアプリの通知が届かず、読書だけに集中できる“専用端末”。目に優しいフロントライトや数週間のバッテリー持ちも魅力です。
「通知を受け取らない時間を意識的に設けることで、脳と心をリフレッシュさせることができます。読書習慣を取り戻したい方には、スマホとは切り離された環境が有効です」(榊氏)
“通知疲れ”を感じたら、一度「通知断ち」してみては?
スマートフォンが生活の一部となった今、「通知疲れ」に無自覚な人も少なくありません。Amazonの調査は、「通知が集中力や幸福感にどのような影響を与えているか」に警鐘を鳴らす結果となりました。読書やリラックスタイムを取り戻すには、「通知から離れる時間」を自分でつくることが大切。もし最近、読書が続かない・疲れやすいと感じているなら、それは“通知”が原因かもしれません。
調査概要
調査名:デバイスの通知に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査対象:日本全国の一般消費者(n=2000)
調査期間:2025年2月13日~24日
調査主体:アマゾンジャパン合同会社
