青森りんご植栽150周年記念セミナーで語られた「腸内環境」「美と健康」「食育」の最前線

りんご150年、地域とともに歩んだ歴史

1875年、青森県でりんごの木が初めて植えられてから150年。いまや日本のりんご生産量の半数以上を占める青森は、「りんご王国」としてその地位を確立してきました。この節目を記念して開催された「青森りんご植栽150周年記念セミナー」では、医学・美容・食文化の専門家が集まり、りんごがもたらす“健康”と“未来の食”について語りました。

画像: りんご150年、地域とともに歩んだ歴史

「腸から長寿をつくる」──内藤裕二先生が語る“発酵性食物繊維”の力

登壇した京都府立医科大学の内藤裕二教授は、「腸内フローラと食物繊維:健康長寿に向けて」をテーマに講演。世界中で行われた疫学研究をもとに、「健康的な老化(ヘルシーエイジング)を促す食事」の共通点を紹介しました。

中でも注目されたのが、りんごに多く含まれる“発酵性食物繊維=ペクチン”です。
内藤教授は「りんごの皮ごと食べることで、1個あたり約1.6gの発酵性食物繊維を摂取できます」と説明。腸内細菌がこの繊維を分解することで生まれる“短鎖脂肪酸”は、炎症を抑え、免疫や代謝を整える働きを持つといいます。

「一日一個のりんごで医者いらず」という言葉が、いまや科学的に裏付けられつつあります。さらに同氏は、「豆類や野菜など、さまざまな植物性食品を毎日摂ることがフレイル予防にもつながる」と呼びかけました。

画像: 「腸から長寿をつくる」──内藤裕二先生が語る“発酵性食物繊維”の力

「りんご美容学」──工藤あき先生が語る美と健康の関係

続いて登壇したのは、美容家で皮膚科学にも詳しい工藤あき先生です。
「美肌の鍵は“腸”と“抗酸化”です」と語り、りんごがその両方に働きかける果物であることを解説しました。りんごに含まれるポリフェノールやビタミンCは、紫外線ダメージを抑え、ペクチンが腸内環境を整えることで、肌のトーンアップにもつながるといいます。

さらに、工藤先生は日常に取り入れやすい“りんご美容術”も紹介しました。「朝食のヨーグルトに皮ごとすりおろしたりんごを加えるだけで、美容成分と善玉菌の相乗効果が期待できます。皮にはポリフェノールが多く含まれているので、できれば丸ごと食べてほしいですね」と語りました。

画像: 「りんご美容学」──工藤あき先生が語る美と健康の関係

果物マニアが教える、りんごを“極める”楽しみ方

セミナー後半には、“果物マニア”としてSNSでも人気のはたんきょーさんがビデオレターで登場。「年間100万円を果物に使う」と公言するほどの熱量で、りんごの“通な見分け方”や“保存のコツ”を紹介しました。

たとえば、蜜入りのりんごがおいしいと感じるのは、糖の一種「ソルビトール」による清涼感と香りのバランスが理由だそうです。また、りんごがやわらかくなるのはエチレンという成分が関係しており、「冷蔵庫で保存し、できるだけ早く食べ切るのが鉄則です」とアドバイス。りんごの変色防止には、塩水ではなくビタミンCを使う方法をおすすめしていました。「酸化を防ぐだけでなく、美容にもいい。まさに理にかなった果物なんです」と語りました。

150年の歴史と、これからのりんご文化へ

今回のセミナーを通じて見えてきたのは、りんごが“食べ物”を超え、人々の健康や暮らしを支えてきた存在であるということです。青森の風土と生産者の努力が生んだ味わいを、医学・美容・生活の視点から見直すことで、りんごの新しい価値が浮かび上がりました。

「1日1個のりんごが医者いらず」ということわざは、科学的にも、美容的にも、そして文化的にも意味を持つ時代になっています。150年を超えて、りんごは今も私たちの心と体を豊かにしてくれています。

青森県りんご対策協議会

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