佐賀ではいま、デジタル技術や起業を通じて、新しい挑戦が次々と生まれています。
全国的にも「ローカル・スタートアップ」が盛り上がりを見せる中、2024年に組成された「公益財団法人佐賀県産業振興機構 さが産業ミライ創造ベース(以下、RYO-FU BASE)」は、「テクノロジーとビジネスの未来をデザインする。」をミッションに掲げ、県内企業のDX推進やスタートアップ支援を行ってきました。
そうした取り組みの“現在地”と“これから”を考えるイベント「SAGA MIRAI FES」が2026年3月5日(木) にCIC Fukuokaにて開催。
佐賀からはじまる変革の祭典として、「語る」「つながる」「広がる」をテーマに、スタートアップ企業やDXに取り組んだ企業の成果発表とアワード、佐賀からイノベーションを起こすためのヒントを探る基調講演、そして登壇者や参加者同士が繋がるミートアップなど、多彩なコンテンツが展開される場となりました。
現地参加者は200名以上、オンラインを含めると総勢500名を超える参加者が集い、会場は終始圧倒的な熱気に包まれました。
今回はイベントの模様をお伝えしたいと思います。
スタートアップ6社による熱いピッチ「MIRAI SHOWCASE」

冒頭のRYO-FU BASE担当者による開会のスピーチに続いて、スタートアップ企業6社によるピッチ「MIRAI SHOWCASE」が行われました。各登壇者は、事業紹介や課題解決に向けた取り組みを熱く語り、これまでの挑戦の軌跡を示しました。

その成果を讃える「MIRAI AWARD」では、スポンサー企業による表彰が行われ、選ばれた企業の登壇者は喜びの表情を浮かべるとともに、次の成長へ向けた意気込みを語っていたのが印象的でした。

イベントの合間には、ネットワーキングの時間が設けられ、参加者が登壇者に直接質問したり、活発に意見を交わしたりする姿が見られました。
DX推進に取り組む企業のプレゼンテーション

イベントの後半はDX推進企業4社が登壇し、AI技術やデジタル技術を用いた社内の生産性や業務効率化の取り組みを共有するプレゼンテーションを実施。
「どのようにDXを実践してきたか」について、現場のリアルな苦労を赤裸々に共有し、簡単には進まないDXの課題と、その壁をいかに突破してきたかを語りました。

表彰の場では、これまでの成果が認められたことに対して、登壇者は安堵の表情を浮かべつつも、同時に今後の事業展開に対する熱意が示されました。
これまでの壁を乗り越えた自信が、さらなる高みを目指す力強い意欲へとつながっていたのを実感することができました。
基調講演で示された「ローカル発だからこそ生まれる価値」

そして基調講演では、経営戦略センター株式会社 代表取締役社長の伊藤雅仁さんが登壇し、現場で起きているイノベーションの実例やIPOの可能性についてスピーチを行いました。
長年、大手企業で培ってきた自身の知見や専門知識を活かし、経営者や起業家が直面する壁を乗り越えるための具体的な道筋を示す内容は、多くの参加者にとって大きな“学び”と“気づき”を与えていました。

イベントの最後には、参加者同士の名刺交換・情報交換がなされるなど、熱気のあるネットワーキングが繰り広げられました。
この場のご縁から、新たなビジネスが生まれていく。
そんな“兆し”が感じられる、実りある一日となりました。
県内企業スタートアップの紹介
ここからは、RYO-FU BASEが推進する、「SAGA MIRAI FES」の企画・運営を含む「SAGA INNOVATORS BASE(以下、SIB)」業務受託者の株式会社Mirai Resortがグロース投資事業として伴走した県内企業の一部を紹介します。
株式会社すみなす

「全員、天才。なんてありえる」と誰もが認め合える世界の実現をビジョンに活動する佐賀県のスタートアップで、アートやクリエイティブな活動を軸に、個々の感性を社会とつなげる独自の場づくりを行っています。
SIBとの協業により、これまで障害福祉の領域でさまざまなアーティストを育成・輩出してきた独自メソッドを、アートイベントに昇華した取り組み「OUR genius」を、名古屋にある日本最大級のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」で開催しました。
個々の才能を社会へつなげる独自のクリエイティブ事業は、障害福祉の枠を超え、誰もが自分らしく生きられる社会の実現に向けたソーシャルビジネスとしての可能性を秘めています。
森鉄工株式会社

佐賀県鹿島市を拠点に、自動車の部品を作りだす油圧プレス機の設計・製作を行うプレス機メーカー。伝統的なものづくりの現場を維持しつつも、次世代に向けた生産性の向上や組織変革に積極的に取り組んでいます。
SIBでは、より機動的な事業推進を目指し、製造の現場やバックオフィスに残るアナログな工程を可視化するとともに、デジタル技術を導入することで、業務効率を最適化するDX支援を実施しました。
創業100年を超える歴史を持つ老舗企業が、時代に合わせてDXを取り入れる先進事例として、ビジネスの変革に挑んでいます。
合同会社yol

佐賀県武雄市を拠点に、地域に開かれたゲストハウスを運営しています。単なる宿泊場所の提供にとどまらず、旅人と地域住民が交差するハブとしての機能を持ち、まちの新たな魅力を発信する拠点となっています。
今回、新たに古民家を活用した宿泊施設の開業に伴い、認知や宿泊予約の最大化、ブランドイメージの確立等を目的に、SIBの協業で公式サイトの制作支援を行いました。
yolが持つ独特の空気感やストーリーを視覚的に伝え、オンライン経由の集客力強化を実現した事例となります。
合同会社土壌診断用バイオセンサー研究会(SDB研)

SDB研は、大手種苗会社で長年研究開発を行ってきた代表の橋本さんが、土壌劣化という人類が直面する差し迫った危機の中で最も認識されずにいる社会課題に注目。その解決のため、「土のお医者さん」として、安価でスピーディな土壌の健康診断や、専用装置の自社開発・製造販売等を行っています。
SIBのグロース投資事業では、toC・toBそれぞれに向けた商品・サービスの認知拡大や成約率の向上を目的に、クリエイティブ・チームの支援により、パンフレットやサービス概要資料の制作支援を実施しました。
アグリテックグランプリ2025では「伊藤忠テクノソリューションズ賞」を受賞するなど、今後の飛躍が楽しみなスタートアップとなっています。
株式会社ボンジュール

お母様の大病を原体験に、家族で健康とおいしさの両立を追求した「オートファジークッキー」等の製造・販売を行うスタートアップ企業で、佐賀県嬉野市の「和多屋別荘」に拠点を構えています。
商品の独自性やベネフィットをより分かりやすく効果的に伝えるため、SIBではプロモーション動画の制作を行ったことで、SNSや店頭での認知拡大に貢献し、商品のブランド価値をターゲット層へダイレクトに届ける支援を行いました。
食を通じて人々の健康に貢献したいという強い意志を持つ、次世代フードスタートアップのさらなる成長が期待されます。
RYO-FU BASEでは、「SAGA MIRAI FES」登壇企業や上記で紹介した事業者以外にも、様々な支援事業を行っており、各事業者の活動内容について動画も公開をされているため、こちらも是非ご覧ください。
事業紹介動画(SAGA MIRAI FES)
youtube.com「SAGA MIRAI FES」は熱狂のうちに幕を閉じましたが、これを一つの通過点として、佐賀のミライに向けた新たな挑戦はすでに始まっています。 今後も変革を加速させていくRYO-FU BASE、そして進化を続ける佐賀県の取り組みにぜひご注目ください 。



