【後編】熊本県は“湯美人”の宝庫!あなたが目指すのは何タイプ?エリア別の美肌作用を徹底解剖!エリア別・温泉地周辺のおすすめスポットやグルメも紹介

春の気配を感じつつも、時折寒い日もある、こんな時期は、温泉に浸かって手足を伸ばしたい方も多いのではないでしょうか。熊本県は、源泉・湧出量ともに全国5位の温泉大国!熊本の温泉はさまざまな美肌作用があります。今回は、前篇に続き、残る5つのエリアの温泉の効果・効能、そして周辺のおすすめスポットや名物グルメ情報などをお届けします。

熊本県は“湯美人”の宝庫!地域によって効能が違う!エリア別湯美人タイプ

県内の約8割の地域で温泉が湧く熊本。自然の恩恵に恵まれ様々なタイプの温泉がありますが、中でも「美肌作用」を促す泉質が多く、「四大美人泉質」とも呼ばれている「(弱)アルカリ性単純温泉」「硫黄泉」「硫酸塩泉」「炭酸水素塩泉」が多くを占めています。「訪れる人たちに美肌効果を体感して欲しい」そんな思いから、“泉質”に着目し、エリアごとの温泉の効能とおすすめの温泉をご紹介します。

湯美人Type6:ケア&カバーで ぷるぷるもちもち肌エリア

「炭酸水素塩泉」のクレンジング作用に加え、「塩化物泉」による保湿・塩パック作用が期待出来るエリアです。不純物の除去・保湿・パックの相乗効果で吸水が持続し、瑞々しい肌になり、湯上りには「ぷるぷる・もちもち肌」へ導きます。

県南エリアのおすすめ温泉:人吉温泉

画像: 県南エリアのおすすめ温泉:人吉温泉

人吉温泉は、1910年を起源とし、今では50数カ所に泉源があります。泉質は肌にも優しい弱アルカリ炭酸泉などで、しっとりとした優しい肌触りが特徴です。現在、令和2年7月豪雨からの復旧・復興に向けた取り組みを進めています。

美肌効果:毛穴ケア、乾燥肌ケア・保湿力、油肌ケア、洗浄力、コラーゲン代謝アップ、転地作用

人吉・球磨地域のおすすめ情報

かつて、歴史小説家の司馬遼太郎が、著書『街道をゆく』の中で、「日本でもっとも豊かな隠れ里」と絶賛した人吉・球磨地域。昨年7月に熊本県を襲った豪雨によって甚大な被害を受けたこの地域は、現在、1日も早い復旧・復興に向け取り組みを進めています。

球磨焼酎
清流で育った豊かな米を使った焼酎。500年以上の歴史で世界に誇る銘酒ブランド。
青井阿蘇神社
1200年以上の歴史を持つ歴史的建造物。茅葺の社寺建築として全国初の国宝指定。

画像1: 人吉・球磨地域のおすすめ情報

永国寺
1408年創建。相良九代前続公の開基により、実底超真和尚が開山した曹洞宗の寺。幽霊の掛け軸があることで有名です。
※今回ご紹介した、人吉温泉をはじめとした人吉・球磨地方の各施設は令和2年7月豪雨からの復旧・復興に向け取り組んでいます。写真は被災前のものです。休業中の施設もありますので、ホームページ等で最新情報をご確認ください。

画像2: 人吉・球磨地域のおすすめ情報

県南エリアのおすすめ温泉:湯の児温泉

湯の児温泉は、リアス式海岸の続く芦北海岸県立公園内にある温泉です。約1900年前、景行天皇の”九州平定”の際に発見されたと言われ、海岸に湧き出るぬるい湯を指して「まだ湯の子(児)じゃ」と言われたのがその名の由来です。その後、1926年、50度を超える温泉堀削に成功し、本格的な温泉郷となりました。泉質は、含食塩重曹泉であり、リューマチ、神経痛に効果があります。温泉街には約9軒ほどの宿が立ち並んでおり、目の前にはつり橋で結ばれている湯の児島が見えます。

画像: 県南エリアのおすすめ温泉:湯の児温泉

美肌効果:毛穴ケア、洗浄力、コラーゲン代謝アップ、転地作用

春が旬!湯の児温泉周辺のおすすめ情報

湯の児チェリーライン
不知火海沿いに、5kmほど桜並木が続くドライブロード。桜の最盛期には、近隣の大崎鼻公園や和田岬公園で、ゆっくりお花見もできます。
※桜の見頃:3月下旬~4月上旬

画像1: 春が旬!湯の児温泉周辺のおすすめ情報

サラダ玉ねぎ
水俣・芦北で栽培されているみずみずしい「サラダ玉ねぎ」。生食から煮物まで、甘みを損なわず大活躍。料理にも使える、数量限定の「葉付き」も人気です。
※旬の食べ頃:2月上旬~6月下旬

画像2: 春が旬!湯の児温泉周辺のおすすめ情報

湯美人Type7:クレンジング&ピーリングすべすべイキイキ肌エリア

ナトリウムが豊富な「炭酸水素塩泉」「塩化物泉」エリアです。「加水・加温なし、源泉掛け流し」を徹底しているのが特徴です。新鮮で濃い成分が、より高いクレンジング&ピーリング、保湿・保温作用を導き、元気な「すべすべイキイキ肌」を実現します。

天草エリアのおすすめ温泉:下田温泉

下田温泉は、天草下島唯一の高温泉(51℃)で、風光明媚な天草灘に面した温泉地です。白鷺が傷ついた羽を癒していたのを見て、湯の湧くことを知ったという言い伝えから”白鷺温泉”とも呼ばれています。下津深江川に面して元湯が湧き、川岸沿いに10数件の温泉旅館が立ち並んでいます。泉質は塩化物泉で、神経痛やリウマチに効果があります。

美肌効果:毛穴ケア、乾燥肌ケア・保湿力、油肌ケア、洗浄力、コラーゲン代謝アップ、転地作用

品質・埋蔵量が日本一!? 全国の焼き物の原材料「天草陶石」

画像: 天草陶磁器(高浜焼)

天草陶磁器(高浜焼)

天草西海岸で採れる天草陶石と陶土は品質、埋蔵量ともに日本一と言われています。強度が高く、焼き上がりは濁りのない透き通った美しい色に仕上がるのが特徴の陶石は、国内生産の半数以上を占め、有田焼などの県外の焼き物産地に出荷されています。江戸時代の発明家、平賀源内が「天下無双の上品」と絶賛したと伝えられています。天草陶石と陶土を使って焼かれる「天草陶磁器」は、国の伝統工芸品として指定されています。

高確率で出合える!「イルカウォッチング」

天草市五和沖の美しく青い海原を泳ぐ野生のイルカの群れを、目の前で見ることができる「イルカウォッチング」。この周辺に生息する約200頭のイルカが華麗なジャンプなどで出迎えてくれます。また、天草の海ではダイビングも楽しむことができ、サンゴ礁では色とりどりの魚にも出合えます。

今が旬!脂の乗った「天草ぶり」

海鮮グルメが豊富に採れる天草の海は、日本でも有数の潮の干満差が大きい海域です。この速い潮流にもまれた「天草ぶり」は、天然・養殖ともに、身が引き締まり、ほどよく脂が乗っているのが特徴です。養殖・加工方法を徹底した「天草ぶり」は全国的にも高評価を受け、ブランド化されているほどです。

画像: 今が旬!脂の乗った「天草ぶり」

湯美人Type8:温泉&タラソテラピー! ぽかぽか健康肌エリア

体を温めることは、美容に欠かせない要素です。このエリアの泉質は「塩化物泉」で、さらに海に近いため「ナトリウム」が豊富に含まれています。体を芯から温め、塩のパックで湯上がりもぽかぽかが持続する「健康肌」が期待できるエリアです。

天草エリアのおすすめ温泉:上天草温泉郷

画像: (写真提供:上天草市)

(写真提供:上天草市)

上天草温泉郷は、四方をきらめく美しい海に囲まれ、豊かな海産物の宝庫です。そのため、九州でも有数の海のレジャーが楽しめる大矢野町、松島町の2大温泉を中心としたエリアです。大矢野温泉は、洞窟をくり貫いて作られた浴場や足湯BARなど、多彩な泉質、温泉が多くの人に好まれています。また、松島温泉は、独特の泉質から、別名「美人湯」と呼ばれるほど女性に好評で、ほとんどの大浴場、露天風呂から「日本の夕陽百選」に選ばれた鮮やかな夕陽を大パノラマのロケーションで臨むことができます。

美肌効果:乾燥肌ケア・保湿力、コラーゲン代謝アップ、転地作用

天草の特産品!全国の食通も唸る「とらふぐ」

海鮮グルメが豊富に採れる天草の海で、イチオシなふぐの中でももっとも美味な「とらふぐ」。上天草はこの「とらふぐ」の養殖が盛んで、上品な甘みの中に強い旨味があるのが特徴です。楽しみ方も豊富で、ふぐ刺をはじめちり鍋や唐揚げ、ひれ酒など隅々まで美味しくお召し上がりいただけます。

画像: 天草の特産品!全国の食通も唸る「とらふぐ」

日本の夕陽百選「高舞登山(たかぶとやま)」、桜の名所「千巌山(せんがんざん)」

高舞登山からの夕陽
日本の夕陽百選に選ばれた「高舞登山」。千巌山と並ぶ景勝地です。頂上付近からは西に有明海を経て雲仙を望み、東に不知火海、はるか遠くには阿蘇を眺めることができます。

画像1: 日本の夕陽百選「高舞登山(たかぶとやま)」、桜の名所「千巌山(せんがんざん)」

千巌山の桜(写真提供:上天草市)
山を染め上げる桜と青い海のコントラストがとても美しい千巌山。標高162mの頂上にある展望台から有明海が広がり、天草五橋を一望できます。
※桜の見頃:3月下旬~4月上旬

画像2: 日本の夕陽百選「高舞登山(たかぶとやま)」、桜の名所「千巌山(せんがんざん)」

湯美人Type9:これ一本(一つの温泉地)でマルチビューティーエリア

全部で10種類ある泉質のうち7種類が揃うエリアです。「くまもっと湯美人泉質」全てが楽しめ、さらに湯巡りの順番次第で期待できる効果が更にアップ!このエリアだけで、熊本最強のスキンケア&マルチビューティーを楽しめる温泉地です。

阿蘇エリアのおすすめ温泉:黒川温泉郷

画像: 阿蘇エリアのおすすめ温泉:黒川温泉郷

黒川温泉は、筑後川を囲むレトロな風情のある旅館の建物と、それぞれの温泉宿が工夫を凝らした情緒あふれる露天風呂が魅力です。オリジナルの入湯手形を購入すると、色々な露天風呂をはしごして自由に楽しむことができます。また、湯めぐりや散策をする際には「黒川温泉湯る~っとクーポン」がおすすめです。温泉街にあるスイーツやコロッケなどを販売するお店で使える利用券が6枚綴りで500円と大変お得です。さらに、黒川温泉では、蛍が飛び交う筑後川を守り続けるために、毎年の涵養植樹や自然由来の石鹸やシャンプーの利用を推進しています。

美肌効果:毛穴ケア、メラニン(シミ)・くすみケア、たるみケア・美肌再生、乾燥肌ケア・保湿力、油肌ケア、洗浄力、血行促進、コラーゲン代謝アップ、転地作用

全ての宿と豊かな景色が一つの旅館「黒川温泉一旅館」

黒川温泉郷では30軒の宿と里山の風景すべてが「一つの旅館」と考えてられており、それぞれの旅館は「離れ部屋」、旅館をつなぐ小径は「渡り廊下」など温泉街全体でお客様をもてなす取り組みがされています。
80年代に、露天風呂が作れない2件の宿を救うために発案された、黒川全ての露天風呂を利用できる「入湯手形」が話題を呼び、”一軒で儲かるのではなく、地域全体で黒川温泉郷を盛り上げたい”という思いから「黒川温泉一旅館」のコンセプトが生まれました。浴衣で露天風呂めぐりや街めぐり、天気の良い日はサイクリングやウォーキングなど、いろんな楽しみ方ができるのも黒川温泉の魅力です。ゆっくり楽しんでいただくために、二泊以上のご滞在の場合「転泊」ができます。お宿に迷ったら泊まるお宿を一泊ごとに変えてはいかがでしょう。また、5月30日まで竹あかりが温泉地を照らす「湯あかり」が楽しめます。
※詳しくはこちら:https://www.kurokawaonsen.or.jp/event/yuakari/

360度大パノラマ「押戸石の丘」

南小国町のマゼノ渓谷近くにあり、古代人の祈りの場所だったと言われています。それを表すように、ピラミッドの形をした「巨岩石」やシュメール文字が刻まれた「鏡石」、日時計の役割があったとされる「はさみ石」など、人工的に配置された石がいくつも点在しています。また、石には一つひとつ磁力があり、「太陽石」の裏側では方位磁石がグルっと一周まわる現象も。360度大パノラマの絶景とともに、大自然のパワーが体感できます。

画像: 360度大パノラマ「押戸石の丘」

水のカーテン「鍋ヶ滝(なべがだき)」

滝を裏側から眺めることができるのが特徴で、別名「裏見の滝」と呼ばれています。落差は約10mと規模は小さいですが、幅が約20mもあり、カーテンのように幅広く落ちる水が木漏れ日に照らされる様子は、とても優美で神秘的。阿蘇のカルデラを作った約9万年前の巨大噴火でできたとされ、長い年月をかけて今の形になりました。滝へ向かう階段の途中には、石畳の中にハート型の石が6箇所に隠れています。

画像: 水のカーテン「鍋ヶ滝(なべがだき)」

小国富士(おぐにふじ)「涌蓋山(わいたさん)」

九州各地から登山愛好家が山頂を目指して訪れる湧蓋山。その秀麗な円錐形の姿から、小国富士として、多くの方に親しまれています。周囲に視界を遮るものがないため、山頂から、くじゅう連山、阿蘇山、由布岳をはじめ、祖母山や雲仙までを眺めることが出来ます。山開きの5月頃には、山頂の斜面に群生するミヤマキリシマが見事に咲き誇ります。

湯美人Type10:美人湯入門編!やさしい美人湯エリア

泉質の中でも「弱アルカリ性単純温泉」など比較的、肌に優しい泉質が揃うこのエリアは、湯美人巡りの入門編に最適です。刺激の少ない「単純温泉」は、ストレスなどによる諸症状にもしっかり作用し、ぐっすり眠れるため、翌朝の肌が楽しみになります。

県南エリアのおすすめ温泉:日奈久温泉

画像: 県南エリアのおすすめ温泉:日奈久温泉

日奈久温泉は、1409年、浜田六郎という少年が戦で負った父の刀傷を癒そうと神に祈ったところ、夢でお告げがあり、教わった場所を調べてみると温泉が湧き出ていたと伝えられています。当時海中だったその場所が今の本湯です。この霊泉発見が伝えられると、その霊験を頼って療養にくる人が多くなりました。参勤交代の途中でもよく利用され、江戸初期には、細川家の藩営温泉に指定されました。泉質は「弱アルカリ単純泉」で、リューマチ・神経痛などに効果があると言われています。また、放浪の俳人・種田山頭火も宿泊し、「温泉はよい、ほんたうによい、ここは山もよし海もよし、出来ることなら滞在したいのだが、-いや一生動きたくないのだが」という歌を残しています。

美肌効果:毛穴ケア、洗浄力、コラーゲン代謝アップ、転地作用

詩人に愛された熊本最古の温泉地

熊本県八代市の最南端に位置する日奈久地域は、古くから温泉地として有名であり、熊本県内で最古の温泉地とも言われています。歴史は古く、600年もの間、その風情を残し続けています。複雑で迷路のような道ですが、ゆっくり歩きたくなるそんな町並みです。築100年以上経ち、登録有形文化財の宿や、増築を幾重にも重ねた立体迷路のような旅館など、日奈久ならではの建築も楽しめます。また、詩人・種田山頭火の『行乞記』は、日奈久の地から始まり、絶賛の詩を残し、温泉街には、山頭火が詠んだ600枚の句板が掲げられています。

お土産に最適!ぷりっとした食感の「日奈久竹輪」

画像: お土産に最適!ぷりっとした食感の「日奈久竹輪」

日奈久温泉地のお土産として人気なのが「日奈久竹輪」。1883年、岩崎和兵米衛という人物が、当時獲れすぎて捨ててしまっていた魚を「もったいない」と言って、竹に巻き焼いたのが始まりと言われています。豊富な海の幸と、竹細工で有名なこの地で根付いた「日奈久竹輪」は、ぷりっとした歯ごたえが特徴です。

世界最大級の柑橘の香を楽しむ「晩白柚風呂」

日奈久温泉で見られる冬の風物詩が「晩白柚風呂」。「ゆず湯」のように、八代市の特産で世界最大級の柑橘類『晩白柚』を浮かべた温泉が、爽やかな香りを放ち、いつまでも浸っていたくなります。湯船に浮かぶ晩白柚の圧倒的存在感を楽しみながら、体の芯まで温めることができます。

画像: 世界最大級の柑橘の香を楽しむ「晩白柚風呂」

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