環境の保護を目的に、リサイクルなどの活動が推進されるようになって久しいですが、今「アップサイクル」というワードが注目されています。アップサイクルとは「不用品を蘇らせる」という趣旨の活動であり、この言葉の正しい意味や意義が今後ますます世の中に浸透していくでしょう。今回はアップサイクルの意味や実例を紹介します。

アップサイクルとは

画像: アップサイクルとは

アップサイクルはヨーロッパで注目を浴び始めたワードで、ファッション業界や雑貨業界を中心にさまざまなジャンルで取り組まれています。では早速、アップサイクルの意味とその意義を紹介します。

不用品に付加価値を付けて蘇らせること

アップサイクルとは、不用品になったものを、元の形状や素材を活かしながらアイディアを加えて、違った用途の物へと再生させる活動を言います。新たな付加価値が付いてアップグレードさせられた状態で、デザイン性が高く、よりオリジナルな価値が付随されることが特徴です。

今アップサイクルが求められる理由

自然を守り、循環型の社会を目指すためにリサイクルなどの活動が行われていますが、すべてのものがその対象になるとは限りません。そのままの形で人の手に渡すこともできないし、資源化して再利用することもできない、そういった不用品に新たな可能性を生み出すことで、循環型、サステナブルな社会をより強く前進させることが期待できます。

これまでリユースしか選択肢がなかった服のジャンルにおいては、「服から服へ」という既成概念を打ち破る新たな選択肢としてアップサイクルが注目を集めています。アップサイクルが浸透すれば、不用品や廃棄物にも未来の可能性がたくさん詰まっているという考え方が広まるでしょう。

アップサイクルをするメリット

画像: アップサイクルをするメリット

アップサイクルが注目されている理由は、サステナブル社会の実現に向けて資源を大切にする動きが世界中で起こっているからです。続いては、アップサイクルを行うメリットを紹介します。

エネルギーを節約できる

アップサイクルとは、元の製品に手を加えてアップグレードした別製品に生まれ変わらせることで、リサイクルとは異なります。リサイクルは製品を分解したり溶かしたりして一旦原料に戻す工程が必須ですが、アップサイクルはその工程が不要なため、専用工場や作業のための電気や燃料などの消費エネルギーを節約できます。

製品を永く使える

リメイクやリユースは、製品自体を使いまわすため、製品の寿命はそのままです。一方、アップサイクルは製品に手を加え新たな価値を付けて生まれ変わらせるので、製品の寿命を延ばすことにつながります。

SDGsに貢献できる

アップサイクルはものを捨てずに再利用するため、限りある資源を有効に活用できます。SDGsとは「持続可能な開発目標」の略称で、資源を大切にして将来的にも持続可能な発展を目指すための課題です。限りある資源をすぐに捨てるのではなく、永く使い続けられるように工夫することが必要とされています。アップサイクルは、SDGsの概念にも当てはまり、地球環境や社会に貢献できるのです。

アップサイクルとリサイクルとの違い、SDGsとの関係

画像: アップサイクルとリサイクルとの違い、SDGsとの関係

アップサイクルとリサイクルとの違いを解説します。また、アップサイクルとSDGs目標12との関係も紹介します。

アップサイクルとリサイクルの違い

リサイクルは、例えばペットボトルがトイレットペーパーになるように、不用品を資源化し再利用することです。アップサイクルは、不用品を違う物に生まれ変わらせるという点においてリサイクルに近いですが、資源化ではなくその形状や特質を生かすことが特徴であり相違点です。さらにアイディアを加えることで、全く違う使用用途や高いデザイン性、オリジナリティの創出を可能にします。

SDGs目標12との関係

SDGsには17個の目標が定められ、各目標はさらに細かく分かれています。その中のSDGs目標12は「つくる責任つかう責任」で、 持続可能な生産消費形態を確保することを目的としています。持続的な発展のためには、限られた資源を有効活用してより良いものを作ることが求められるわけですが、アップサイクルを通してものを永く使い続けることは、SDGs目標12の達成につながるのです。

ファッション業界におけるアップサイクルの実例

画像: ファッション業界におけるアップサイクルの実例

ヨーロッパのファッション業界を中心に、革新的なアップサイクルの活動が進んでいます。なぜならファッション業界の環境負荷はとても深刻だと言われているからです。ここでは、世界的にも有名な3つの実例を紹介します。

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