LINEで届く『わたし漢方』の漢方薬剤師 さっちです。先月の13日から、マスクの着用について個人の判断が基本となる方針が示されましたね。しかし、外したいと考えていても長期間のマスク生活でお肌が荒れてしまい、なかなかマスクを手放せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
春は芽吹きの季節で、肌の悩みも増える傾向にあります。お肌のトラブルについて、漢方ではどのようにケアをしていくのかお話していきたいと思います。
画像: マスク下のお肌は大丈夫? お肌のトラブルを漢方で解決しよう

どうしてマスクで肌荒れするの?

みなさんもマスクを長時間着用していると感じると思いますが、マスクの中は呼気によってどうしても湿気がこもりがちになります。この状態は一見肌の保湿に良いように思えますが、実はマスクの下の湿度が高くなる=肌が潤うというわけではありません。

マスクの隙間などから水分が蒸発するときにお肌に必要な水分までもっていってしまうので、反対にお肌が乾燥してしまうこともあります。さらに高温多湿のマスクの下は細菌が繁殖しやすい環境や肌がふやけた状態になるので、角質層のバリア機能(身体を守る皮膚の働きのひとつ)の低下が起こりやすくなります。

画像: どうしてマスクで肌荒れするの?

バリア機能の低下は角質層のターンオーバー(古い角質から新しい角質へ生まれ変わる仕組み)のサイクルの乱れを生みます。サイクルが通常よりも早くなると、潤いを蓄える力がなくなり、反対に遅すぎても古い角質が残ったままなのでざらつきや肌荒れの原因になります。

さらにマスクの着脱、ズレを直す、口を動かして話すなどの行為から摩擦が起こり、またさらにバリア機能の低下が起こるという悪循環に陥ることも。

このように肌トラブルの原因になりやすいマスクの状態に、栄養不足、睡眠不足、ストレス、内臓の疲れといった生活習慣、摩擦など、様々な要因が重なり、なかなか治らない肌トラブルの原因になっていると考えられます。

あなたの肌トラブルは?

漢方には、「気血水(き・けつ・すい)」と呼ばれる基本的な考え方があります。人それぞれ違う、足りていない・循環していない要素を把握し、そこから見える体質から最適なアプローチを見極めていきます。

画像: あなたの肌トラブルは?

マスクの中は乾燥しやすい環境であることに加え、体の栄養を行き渡らせる役割のある「血」が不足しているとお肌のカサつきに悩みやすくなります。女性は月経があるので血を消耗しやすい傾向にあるので、血を補うことでお肌に栄養をしっかり与えてあげて養分を取り戻していく必要がありますね。

「肌は内臓の鏡」ともいわれるくらい、お肌と内臓の関係は深く、皮膚表面だけの問題ではなく内側の不調が現れていることもあります。
◎ストレスにより熱が身体にこもり炎症を起こしているケース
◎常在菌のバランスが崩れやすくなっているケース
(免疫力の低下からアクネ菌が繁殖しやすい)
◎血の巡りの悪さから老廃物が溜まりやすくなっているケース
など、様々な原因が考えられます。

漢方では問診をとても大切にしており、一見関係なさそうな事柄からもヒントを得て、ひとりひとり違うお悩みや体質に寄り添ってあなたに合ったアプローチを考えていきます。

人に見せたいお肌になるために

画像: 人に見せたいお肌になるために

★ マスクの選び方

マスクが大きいと摩擦が生じやすくなったり、隙間から蒸発する水分が多くなりお肌への負担になりますし、硬い・チクチクするなどの素材は大きなストレスにもなります。

・布のタイプ…優しい天然素材(綿・絹など)の肌にやさしく通気性のあるもの
・不織布タイプ…間にガーゼやコットン、優しい素材の布などを挟む

マスク内の汗はこまめに拭くようにし、高温多湿の環境をできる限り取り除けるようにして、湿度のコントロールをしていきましょう。

★ マスクを外したあとのケアも大切に

お肌のバリア機能を低下させないためには、保湿がとても重要。スキンケア用品は水分と油分のバランスを適量に保ち、自分に合ったケアを心がけましょう。

クレンジングも洗顔もお肌にやさしいものを使い、たっぷりの泡でやさしく洗顔しましょう。熱いお湯はお肌の乾燥を招くので、32〜35℃前後のお湯を使うのがおすすめ。

★ 健康な身体は整った生活習慣から

食事や睡眠など、乱れている部分があると感じる方はこの機会に見直していきましょう。
特に食生活は体の基本。薬膳の考えを取り入れ、血を汚すとされている食べ物はなるべく避け、お肌の栄養と潤いを与えてくれる食べ物を積極的に食べるのがおすすめです。

画像: ★ 健康な身体は整った生活習慣から

◎なるべく避けよう
・甘いもの ・辛いもの(刺激物)
・味の濃いもの ・アクの強いもの(山菜・タケノコなど)
・加工品 ・アルコール
・もち米 ・えび
・かに ・魚卵 など

◎積極的に食べよう
・黒豆 ・黒米
・ひじき ・黒きくらげ
・黒ごま ・白ごま
・ゆりね ・松の実
・山芋 ・れんこん
・はちみつ など

つらいお悩みがあるなら…相談してみよう!

いまはまだ花粉などもありマスクをしている方のほうが多い印象を受けますが、これから暑くなる季節には外そうと考えている方も多いかと思います。

漢方ではこころとからだをひとつと捉えて、身体が本来持っている力や働きを高めていくことを得意としているので、幅広い不調に対応することができます。

画像: つらいお悩みがあるなら…相談してみよう!

わたし漢方では体や心の状態などをカウンセリングでひとりひとり詳しくお伺いし、あなたに合った体質改善のお手伝いをしています。お肌のトラブルに悩まされない健康な身体を一緒に目指しましょう!

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