「未来を切り開く、農業の挑戦者になる！」未来農業フェスタ2025開催

2025-03-03

「農業の魅力発信コンソーシアム」が、2月22日、若手農業者と未来の新規就農者との交流を図るイベント「未来を切り開く、農業の挑戦者になる！未来農業フェスタ2025」を開催しました。

本イベントでは、冒頭に農林水産省経営局就農・女性課長の尾室幸子氏が登壇し、情報収集に便利なポータルサイト「農業をはじめる.JP」や、全国各地の市町村や教育機関などが一堂に会する「新・農業人フェア」の紹介等を行いました。その後、「ロールモデル農業者」が、農業視点での地域おこし、農業での多様な働き方をテーマに、農業の未来や可能性を考えるトークセッションが行われました。

「農業の魅力発信コンソーシアム」

「農業の魅力発信コンソーシアム」は、農林水産省の補助事業「農業の魅力発信支援事業」を活用し、生産者と生活者の接点となる企業が集結し設立されました。

このコンソーシアムでは、ロールモデルとなる生産者の情報発信や、生産者と参加者が農業に係るプロジェクトを協働で企画するイベント、学生の農業体験イベントなどを通じて、「職業としての農業の魅力」を発信しています。

農業を通じた地域おこし！4名のゲストが登壇」

「農業を通じた地域おこし」に関するトークセッションでは、とのわファーム清水雄大氏、いっぽファーム石川智之氏・圭氏ご夫妻、Orchard muku. 奥村光希氏が登壇しました。

まずは初めに登壇したのは奥村氏。奥村氏は、長野県喬木村のドライフルーツ専門農家「Orchard
muku.」に30代で就農し、祖父母から受け継いだ畑を営んでいます。

奥村氏は、「結婚後、隣の飯田市で暮らしていたが、経済的に安定した生活が送れず苦しかった。そのさなか、祖父母から「戻っておいでよ」と声をかけてもらったのが、就農のきっかけになった。その後、祖母が亡くなったタイミングで農園を継いだ。」と就農の経緯を語り、さらに「子育てしながら働ける環境が農業にはある」と農業の魅力を話りました。

続いて、東京都青梅市の「とのわファーム」の清水雅大氏が登壇。清水氏は、医療業界から農家に転身したそう。「コロナ禍を経て、農業にチャレンジしようという思いが出て異業種から飛び込んだ。現在は3人で多品目野菜を育てている。」と説明。今後については、「今後は、いろいろな方が農園に遊びに来てくれたらうれしい。」と歓迎の気持ちを述べました。

最後に、岩手県平泉市の「いっぽファーム」の石川智之氏・圭氏夫妻が登壇。石川夫妻は、イチゴとナスをメインとした農園を運営しています。イベント当日は、イチゴの収穫をしてからイベントに来たと話していました。石川夫妻は、「地域や、周りの人たちにサポートや応援いただいたからこそ、今があると思っています」と今年で3期目を迎える感謝を述べ、「今後は誰かの1歩を支えられる農園を作っていきたい」と話しました。

地域との関係と若手農業者の想い

最後に、登壇した4名からこれからの農業での目標や農業に興味のある人へメッセージが送られました。

奥村氏は、収穫物の海外輸出が目標だと語り、「市田柿を日本国内でもっと広めていき、そして海外にも進出したいと考えている。」とコメント。「農業をやってみたい、でもどうしたらいいか分からない、そういう人が体験してもらえるような農園になればいい。（農業が）面白いなって思ってもらえたら、うれしいです」と話しました。

清水氏は「まだ農業を始めて3年目なので農業については愚直に丁寧にやっていきたい。これから農業をやっていきたいと考えている方には、自分もそうだったが、農業ってどうやって始めればいいかわからない。なので、私が青梅市で農業に片足を踏み込んだみたいに、“農業をやってみたいけどどうやればいいかわからない”という人が、片足を踏み込めるような農園になればいいなと思っている。」と述べました。

石川夫妻は、「“岩手の魅力は中々県外に発信できていないのではないか”と思うことがあるので、岩手の魅力をどんどん外に向けて発信していきたい。」と語り、「いっぽファームという名前の由来は2つある。1つは20代の頃に生き急いで色々チャレンジしていたが、農業を始めるにあたって地に足をつけた経営をして一歩づつ前に進んでいきたい。もう1つは、周りの方にたくさんサポートしてもらったり応援してもらったから今がある。私も誰かの一歩を支えられる農園を作っていきたいと思っている。」と想いを話りました。