宮城県塩竈市で約70年の歴史を持つ老舗「さとう精肉店」が、オンラインモール「Temu(テム)」への出店をきっかけに新たな販路を切り開いています。かつては漁港の船団や地元飲食店への卸売を中心としていた同店ですが、三代目の佐藤浩紀氏のもと、オンライン販売に注力。2025年春のTemu出店を機に、安定した売上拡大を実現しました。
季節要因に左右されていた売上を安定化
塩竈はマグロの港町として知られています。1966年創業のさとう精肉店は、牛肉を中心とした精肉販売を続け、「安心・安全・美味」を信条に地域に根ざした商いを行ってきました。2015年に三代目が事業を継承し、自社ECサイトや大手モール出店など、オンライン販売の基盤を整備。コロナ禍には注文が急増したものの、その後は季節イベントに依存する形となり、安定した売上が課題となっていました。
「売上はまるで潮の満ち引きのようでした。安定的に販売できる場所を探していた中で、Temuへの出店を決めました」と佐藤氏は振り返ります。
Temuに出店した初日には、広告なしで3件の注文が入る好調なスタート。以降、同社のサポートを受けて仙台牛や牛タンなど人気商品の“小分け真空パック”販売を導入し、若年層からの支持を得ています。
Temuで広がる新しい顧客層
調査会社Ipsosによる2025年5月のデータでは、Temuの日本ユーザーは20代が比較的多く、これまでさとう精肉店ではリーチしづらかった層が新たな顧客として増加しています。
https://www.ipsos.com/ja-jp/online-shopping-research-with-temu
「一人暮らしでも試しやすい」との声を受け、小分けパックが人気に。注文地域も宮城県内中心から、東京・神奈川・名古屋など全国各地へ広がっています。
出店から2カ月後には、Temu店舗の売上が全チャネルで第4位に上昇。季節変動の影響を受けず、毎週安定した出荷ペースを維持しているといいます。
Temuが地方の老舗を全国市場へ導く
佐藤氏は、「Temuでは、ユーザーが偶然の発見を通じて当店の商品を知ってくれるのが魅力です」と話します。ブランド広告や知名度に頼らずとも、新しい顧客層と自然につながれる点が、地方事業者にとって大きな価値となっています。
「Temuによって、地方の老舗も全国にその味を届けられるようになりました。これからも塩竈の味を多くの方に楽しんでいただきたいです。」
さとう精肉店は、Temuを通じて地方ブランドの可能性を広げながら、全国市場でのプレゼンス拡大を目指しています。

▼Temu公式サイト
https://www.temu.com/
▼宮城・老舗さとう精肉店(Temu内)
https://www.temu.com/mall.html


