“健康寿命”の延伸が重要視される現代社会において、筋力トレーニングは健康維持に欠かせない要素となっています。しかし、高強度の筋トレが「動脈硬化度」を一時的に増加させるリスクがあることはあまり知られていません。
そんな中、日本体育大学の岡本多孝信教授と秦麗ら助教による「高カカオチョコレート摂取による筋力トレーニング時の動脈硬化度への効果」に関する最新研究が発表されました。
「筋トレのリスクをカカオが守る!」と題された発表イベントには、日本体育大学出身で筋トレ愛好家の関口メンディーさん、そして美BODYの象徴ともいえる池田美優(みちょぱ)さんも登壇。研究の注目ポイントから日常のトレーニング習慣に至るまで、興味深いトークを繰り広げました。
「血管の健康にも目を向ける必要がある」健康寿命を延ばすために大事なこと
岡本教授によると、日本人の平均寿命と健康寿命には、男性で8.49年、女性で11.63年の差があるとのこと。
この差を縮めるには、日頃の運動習慣が欠かせませんが、ただ運動すればいいわけではなく、血管の健康にも目を向ける必要があります。

ウォーキングなどの有酸素運動は動脈を柔らかくし心血管リスクを下げる一方、筋力トレーニングは筋肉量を増やすメリットがあるものの、高強度で行うと心臓や動脈に過度の圧力がかかり、動脈が広がりにくくなります。これにより、「動脈硬化度が一時的に上昇する」ことがわかっています。
健康のために続けている筋トレが、実は血管へ負担をかけている可能性もあるとは驚きです。
動脈硬化度を戻してくれる筋トレ前の高カカオチョコレート摂取がポイント
続いて、畑助教が説明したのは、今回の研究のキーワードとなる「カカオポリフェノール」について。
高カカオチョコレートにはポリフェノールが豊富に含まれていて、血圧低下、認知機能の向上、善玉コレステロールの増加、動脈の柔軟性の向上など、すでに多くの効果が知られています。
これらのことから、高強度の筋力トレーニング前の高カカオチョコレートを摂取することで、動脈硬化度の上昇を防げるのではないかと考え、検証を行ったそうです。

対象となるのは、運動習慣のない健康な成人男性12名。高カカオチョコレート50g、またはホワイトチョコレート50gを摂取し、高強度の筋トレを実施してもらい、血圧や動脈硬化度を運動前後などに測定しました。
すると、中心動脈硬化度はどちらを食べても運動後に上昇しましたが、全身の動脈硬化度は、高カカオチョコレートを食べた場合のみ、30分・60分後の値が有意に低くなりました。
つまり、“筋トレで上昇した動脈硬化度をより早く元に戻す効果がある”ということが明らかになったのです。
「肩が育つとウエストが細く見える」みちょぱが発見した筋トレのメリット
トークセッションでは、関口メンディーさんとみちょぱさんが、普段行っているトレーニングについて語ってくれました。
普段から高カカオチョコレートを食べているというメンディーさんは、研究結果にも興味津々の様子でした。
「普段は10kgのダンベルで回数重視のトレーニングをしています。実は、高カカオチョコレートは体にいいと本で読んで、すでに僕は日常的に食べていました」

一方、みちょぱさんは、美ボディを作りあげる秘訣を語ってくれました。
「最初は姿勢改善から始まったけど、腹筋を割りたくなって…。今は肩を大きくしたいんです。肩を大きくするとウエストが細く見えるんですよね。最近は懸垂にも挑戦中です!」

筋力アップやボディメイクを目指す人は増えていますが、「血管の健康」や「リスク管理」まで意識している人はまだ少ないかもしれません。“高カカオチョコレート”を摂取すると、より健やかに筋トレを行える可能性は高いです。日々の運動を安全に効果的に続けるためにも、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

