3月11日は、2011年に発生した東日本大震災を思い出す日です。あの日の経験から、日本では防災意識が大きく高まりましたが、時間の経過とともに備えを見直す機会は少なくなりがちです。そうした中、災害時の長期避難生活に備える新しい防災サービスとして、宅配型トランクルーム「防災ゆうストレージ」が2022年2月1日から提供されています。日用品や思い出の品などを専用ボックスに入れて遠隔地に保管し、必要なときには避難先へ配送できる仕組みです。

避難生活を支える“自分専用の支援物資”
「防災ゆうストレージ」は、防災備蓄の新しい形として生まれた宅配型トランクルームサービスです。利用者は、避難生活で必要になる物資を専用ボックスに梱包し、配送するだけで保管できます。預けられたボックスは、利用者の居住地域とは異なる都道府県にある倉庫で保管されます。倉庫は硬質地盤の土地に建てられ、耐震基準を満たしている施設が使用されるため、災害リスクの分散にもつながります。もし災害が発生した場合は、専用サイトから取り出し手続きを行うことで、日本郵便の「ゆうパック」により避難先など指定の場所へ配送されます。なお、災害の規模や状況によっては配送が遅れる、または困難になる可能性もあります。
専用ボックスは避難先でも活躍
保管に使用する専用ボックスはポリプロピレン製で、耐久性の高い設計になっています。避難先ではテーブルや椅子としても利用でき、限られたスペースでの生活をサポートします。また、日用品の備蓄だけでなく、アルバムや母子手帳など「なくしたくない大切なもの」を遠隔地で守る「大切なものエスケープ」としての活用も想定されています。

保管できる主なアイテム
サービスでは、防災の専門家が監修した保管品チェックリストも用意されています。
じぶん用支援物資の例
・携帯電話充電器
・タオル
・着替え
・予備の眼鏡やコンタクトレンズ
・常備薬、お薬手帳
・歯ブラシ
・ビニール袋
・ブルーシート
・毛布
・女性向けの日用品
・高齢者や子ども、アレルギー対応の食品など
大切なものエスケープの例
・アルバム
・母子手帳
・子どもの作品
・レコード
・書籍
・フィギュアなど
3.11の教訓から見える“備蓄の課題”
東日本大震災では、多くの人が長期間の避難生活を経験しました。公的機関から支給される物資は最低限のものが中心で、個人ごとに必要なものは十分に行き渡らないケースも少なくありませんでした。さらに、避難時に持ち出せる荷物には限界があり、自宅の被災によって思い出の品を失うケースも多く報告されています。こうした経験から、専門家は「自分や家族に必要なものを事前に準備し、分散して保管しておくことが重要」と指摘しています。遠隔地に備蓄を置くという考え方は、こうした課題に対応する新しい防災対策の一つといえます。
全国物流ネットワークを活用した防災サービス
このサービスは、全国に広がる配送ネットワークと郵便局の物流インフラ、そして美術品やワインなどの保管実績を持つ倉庫ノウハウを組み合わせて実現しました。宅配型トランクルームの仕組みを活用することで、「箱に詰めて送るだけ」という手軽さで防災備蓄を行える点も特徴です。
サービス概要
名称
防災ゆうストレージ
提供開始日
2022年2月1日 11:00
サービスページ
https://www.post.japanpost.jp/life/you_storage/introduction/index.html
東日本大震災から15年。日本では地震や豪雨などの自然災害が続いており、防災の備えを改めて見直すことが重要になっています。自宅での備蓄だけでなく、遠隔地に物資や大切なものを保管するという新しい防災対策も、今後の選択肢として注目されそうです。
