2023年12月5日(火)東京都内にてJミルク主催 第55回メディアミルクセミナーが開催されました。今回のテーマは、現代日本人が抱える低栄養問題『若い女性のやせ』『小中学生の栄養不足』。

女子栄養大学の上西一弘先生をお招きし、若い女性の栄養不足、牛乳・乳製品を摂取することの大切さについての講演が行われました。

若年女性のやせの増加

画像1: 若年女性のやせの増加

現在、若年女性のやせの割合は20%以上。この数値を15%までに下げようということが現在の目標になっています。

若い女性の健康課題は、低体重、カルシウム摂取量が少ない、身体活動レベルが低い、ビタミンDの栄養状態も悪い。

しかし、今の時点では身体に何も不具合が起こっていないため、本人たちはその重要性に気がついていないことが問題点として挙げられています。

それは、将来骨粗鬆症や骨折の増加。そして、低出生時体重児が増えてしまい、その子たちの生活習慣病のリスクが高くなることにつながるかもしれない、ということです。

画像2: 若年女性のやせの増加

やせ願望が低年齢化してきて、見よう見まねでダイエットをするということが行われており、しっかりカルシウムを摂らなくてはいけない時期に摂取しないことで、後からツケが大きくなって戻ってくる可能性があるのでとても心配している、と上西一弘先生はおっしゃっています。

給食のある日とない日の栄養素摂取量について

画像: 給食のある日とない日の栄養素摂取量について

カルシウム摂取量は男子の場合、給食のある日は860mg、ない日は632mg。女子の場合は、給食のある日は761mg、ない日は530mgしか摂れていないことが分かりました。

また、給食のない日に昼食に牛乳を飲んでいない人が多数いることも調査で判明しました。

特に中学生の場合、給食がある日でも男子は牛乳1本分足りておらず、さらに給食がない日は2.5本分足りていないという状況であることが分かりました。

成長期の健康課題は、カルシウム摂取量が少ないこと。それによって最大骨量の低下が起き、将来の骨粗鬆症や骨折になりやすくなる可能性があります。

牛乳は太る?

画像: 牛乳は太る?

牛乳はカルシウムに注目されがちですが、たんぱく質やビタミン類の供給源としても必要です。

ですが、「牛乳は太るのでは?」という質問が中高生から質問されるケースが多い、と上西一弘先生。実際に調査した結果、表のように牛乳を飲んでいる人の方が体脂肪率が高いことが分かりました。もちろん、やせ薬のような効果はないので、たくさん飲めば良いということではありません。

バランスの良い食事をしよう

画像: バランスの良い食事をしよう

牛乳もバランスの良い食品ですが、この図を見ていただくと一番下に牛乳があります。

これが入ることにより、バランスが良くなります。ここを忘れないようにしていただきたいです、と先生はおっしゃっていました。

最後に、「食生活の中に牛乳・乳製品を取り入れていきましょう。それは、若い女性や子どもたちだけでなく、すべての人たちに当てはまることだと思っています。」と締めくくりました。

30〜40代の方も骨密度を上げることは難しいけれど、維持することは可能なので、ぜひ実践してほしいという上西一弘先生のお話でした。

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